大学3年生の娘と高校3年生の息子がいます。
ほとんどの「普通科」の高校に通う生徒は、進学することを前提に入学しています。
娘と息子も普通科の高校に入りましたが、卒業して就職する生徒は毎年1~2人いる程度です。

入学説明会でも進路説明会でも「就職」の話をされたことはありません。
ところが息子の高校のクラスメイトは卒業後、就職することを選びました。
ここで気になったのは、普通科の高校では本人が希望すれば「就職先」を斡旋してもらえるのかな?という疑問です。
工業高校や商業高校と違い、求人票が来ない普通科の高校でどのようにして就職先を見つけるのか?
「履歴書の作成」や「面接の練習」などの就職指導はしてもらえるのか?
今回はこの2点を中心にまとめました。

普通科の高校に入学したあとに就職したいと考えている方の参考になれば幸いです。
息子の高校の担任の先生に就職について聞いてみました!
息子から担任の先生に、高校から就職する方法について聞いてもらいました。
★偏差値55の公立高校(普通科)
★大学、専門学校に進学する生徒の割合は全体の99%
★毎年公務員になる生徒が1~2人いる
★進路説明会で就職の話が出たことは一度もない

先生に質問したら「就職希望なの?」って驚かれたよ。
まず最初に、息子が通う高校には求人票が来ないことが分かりました。

企業も就職希望者が居ないところに求人票を送りませんよね。
担任の先生の話では、就職したいなら自力で公務員試験を受けてもらうのが一般的、とのことでした。
地方初級公務員試験を受けた友達の話

地方初級公務員試験とは、地方公務員である都道府県と政令指定都市の「高卒程度」試験のことを一般的には指します。
息子の友達は高校2年生の時点で公務員になることに決めていたので、4月の新学期に入ってから担任の先生に相談したそうです。
6月の三者面談で学校からの許可が降り、成績証明書及び卒業見込証明書 または調査書などの必要書類を発行してもらい、7月中に申し込み、9月、10月に試験を受け、11月に合格発表がありました。

先週、合格していたと教えてもらったよ!
知自体によっても違いはありますが、一般的に申し込み期限が8月中と早いです。
高校に必要書類を作ってもらうことを考えると、6月中には公務員試験を受けることを先生に伝えた方がいいです。
9月に大学の校内推薦に落ちたから公務員試験を受けようかな、では間に合いませんのでご注意ください。
職員採用試験案内はコチラが参考になります。
⇒ 公務員試験総合ガイド
友達が最初に使って勉強していた参考書はこちらです。
普通科の高校生が自分で就職先を探すには?
普通科からの就職探しは、知人からの紹介か厚生労働省労働局所管の高卒就職情報WEB提供サービスを使って求人を調べる、主にこの2択になります。
高卒就職情報WEB提供サービス – 厚生労働省
アクセス権が教員と生徒限定となっている「高卒就職情報WEB提供サービス」を使って求人を調べて申し込むことは可能だと先生が教えてくれました。
⇒ 高卒就職情報WEB提供サービスはコチラです。
⇒ 求人のお申し込み方法、採用の流れはコチラです。

学校のパソコンでパスワードを入れると求人情報を見ることができるんだって。
※パスワードは教員しか分からないので求人情報を自宅のパソコンで見ることはできません。
ただ、担任の先生が赴任して5年経ちますが、今まで息子の高校でこちらのサービスを使った生徒は誰もいないとのことでした。
(そもそもの就職希望者が少ないの使う人がいない理由です)
高卒就職情報WEB提供サービスのサイト内にある、令和5年度版全国高等学校便覧には以下の3点が記載されています。
- どこにどのような課程の学校が設置されているのか
- その学校の課程別の卒業・就職の状況はどうか
- 来年の卒業予定者・就職希望者は何人いるのか

こちらで探せば、就職した生徒が多くいる普通科の高校が分かるよね!
息子の友達が通っている就職する生徒が多い普通科の高校を探して連絡を取れば「普通科の高校からの就活情報」を教えてもらえるのでは?と思ったのですが…
こちらの記載されている近隣の普通科の高校の就職者数はなんと0人でした。
愛知県の高卒就職決定者数は全国1~2位を争うほど高いのですが、普通科から就職する生徒は少ないことが分かりました。
高校生の就活の流れ
高校に求人票が届く高校(主に商業高校や工業高校などの専門学科)の就活の流れです。

事前見学をしておかないと応募できない企業もあるので注意が必要です!
事前見学は7月末から8月中旬という企業が多いため、7月1日の求人票の受付開始から短期間で応募先企業を決定しなければなりません。
せっかく応募したい企業が決まっても、校内選考で落ちると別の企業を探し直すことになります。

第3希望くらいまで出せるといいのにね。

工業高校の友達が校内選考は成績順だって言ってたよ!
普通科の高校の就職指導
「履歴書の作成」や「面接の練習」などの就職指導は息子の高校ではしてもらえません。

先生も夏からは大学入試(AOや推薦)の指導で手一杯だよね。
息子の友達は公務員試験(事務系)を受けたので、高校の事務員さんに相談したところ、おすすめの参考書を教えてくれたりと協力してくれたそうです。

合格してからはMOSの資格と運転免許を入社までに取っておくといいよって教えてもらっていたよ。
短期で運転免許を取りたいなら合宿免許がおすすめです。
うちの娘はこちらで申し込んで免許を取りました。
⇒ 免許合宿の人気ランキングが地域別、職業別、性別、プランごとに見れます
高校を通さずに就職することは可能?

高校に求人が来てないし、自分で求人サイトで応募して就職を見つけてもいいのかな?

原則学校を通した方がいいよ。企業に卒業見込み証明書や調査書等の提出が必要になるかもしれないしね。
原則学校を通した方がいい一番の理由は、良い会社もあれば悪い会社もあり高校生がそれを見分けるのは大変だからです。
高校側がブラック企業だと判断したら、生徒のために就職を止めてくれます。
就職サイトで探した企業の募集要領に、来春新卒採用として、学歴不問や高卒以上としてある求人でしたら応募することは可能ですので、まずは高校の先生に相談してみてください。
大卒の方が生涯年収が高い?
高卒と大卒の生涯年収の比較記事をよく見かけます。

大卒の方が高卒より数千万生涯年収が高いってよく書いてあるけど本当?

従業員1000人以上の大企業で定年まで働く「大卒の男性」なら本当だよ!
娘の就活を見ていて分かったことですが、大学生でも新卒学生の三分の二は中小企業に就職していますし、就職しても1年以内に辞めてしまった先輩もいます。
高校からのあっ旋で大企業に就職できる高校生もいるので、大卒だからと言って高卒より生涯年収が高いとは一概には言い切れません。
従業員100人以下の中小企業に勤めている友達の旦那さん(大卒・経理職)曰く、中小企業なら高卒も大卒も生涯年収は変わらないと言ってました。
最後に
大学に入っても勉強しない学生はいます。
1、2年生でほとんどの単位を取り切ったからと、3、4年生は週に1回しか大学に通っていないから学費が勿体ない、と嘆いている保護者の方もいました。

週に1回しか授業がないのに寝坊して来ない子もいるよ。
娘からそのような話を聞くと、大学で特に学びたいことはないから、と公務員試験を受けて就職を決めた息子の友達の方がよほど自立しているな、と感じます。
娘の親友は、「進学の必要を感じないから」という理由で高校を卒業後、建築会社に就職しました。
就職してからお金を貯めて専門学校に通い、2級建築士の資格を取り、1級の資格取得に向けて勉強をがんばっています。

18歳の春から就職して、やっぱり学びたい気持ちがあれば大学や専門学校を受けてみる、そんな進路の決め方でもいいですよね。