大学2年生の娘と高校2年生の息子がいます。
愛知県の公立高校の受験で、内申が低い場合どこまで当日点で戦えるのかな?と気になっている受験生は多いのではないでしょうか。
2年前の息子の話ですが、受検する高校の平均内申より6足りなくても合格することが出来ました。

塾の先生全員に驚かれたよ!
息子の話を書くと「平均内申より6までなら足りなくても挑戦できるってことかな?」と思われるかもしれませんが…内申が足りないというだけで発生するリスクがあるので注意が必要です。

息子はリスクを承知した上で受験しました。
模試の偏差値がしっかり取れている生徒さんで、多少内申が足りない状態でも行きたい高校があるのなら、ぜひ挑戦してもらいたい気持ちはありますが…
願書を出す前に知っておいて欲しいことがあります。
今回は、内申が足りない高校を受験することは一体どのようなリスクがあるのかを下にまとめます。
愛知県の公立高校の合否判定
令和5(2023)年度の入試から、受検者の合格判定方法は以下の5通りになります。
※愛知県では内申合計45点 当日点は110点満点です。
Ⅰ型 | 内申点(45点×2倍)+当日点(110点) | 均等型 |
Ⅱ型 | 内申点(45点×2倍×1.5倍)+当日点(110点) | 内申重視型 |
Ⅲ型 | 内申点(45点×2倍)+当日点(110点×1.5) | 実力重視型 |
Ⅳ型 | 内申点(45点×2倍×2倍)+当日点(110点) | 内申超重視型 |
Ⅴ型 | 内申点(45点×2倍)+当日点(110点×2倍) | 実力超重視型 |
A判定合格とB判定合格とは?

愛知県の公立高校の合格判定は、A判定合格とB判定合格があります!
A判定合格とは
定員が300人の高校で、推薦合格者40人を除いた260人の合格者を決める場合ですが、
A判定合格する人数は、推薦合格者を除いた残りの定員260人の約6割=156人相当と考えられると塾の先生から聞きました。
なので第1希望者+第1希望校不合格の第2希望者の中から「当日点のみの順位が156人以内」かつ
「内申のみの順位が156人以内」の生徒が最初に合格が決まります。

156人がA判定合格で、残りの104人がB判定になるってことだね!
A判定合格(内申、当日点ともに募集定員内)の生徒は、たとえボーダーに達していなくても合格します。
B判定から、各高校があらかじめ選択したⅠ型~Ⅴ型いずれかの比率が適用されます。
この判定方法から分かるように、A判定合格をもらうには、内申はとても大事です。
今年度からⅣ型・Ⅴ型が追加されたのですが、A判定合格をもらえる実力がある生徒さんにはこの方式は関係ありません。
内申も当日点も志望校の平均点が取れるのが理想の受験生なのです。

ところで息子が受験した△△高校は、平均内申が33、平均当日点が70点でした。
△△高校を受験した生徒は、内申33あって、当日点70点取れていれば、確実にA判定合格できることになりますが、内申27の息子は当日点70点取れたとしてもB判定に回されていたはずです。
B判定合格とは
ここから下は内申が足りなくてB判定だった息子の話となります。
上にも書きましたが息子の内申の足りなさでは、A判定合格することは不可能でした。
中学の担任の先生と塾の先生から、今まで受験した生徒の最低内申を下回っていると言われていたので、最初からB判定に入っていることは分かっていました。
息子の受験した高校はⅢ型で当日点重視型(内申×2+当日点×1.5で合否判定)だったので、平均内申33ある生徒と比べてマイナス12点のハンデがある状態でした。

塾の先生から、最低でも当日点80点は取らないと合格できないって言われてたよ!

内申が6足りない息子が偏差値55の高校に合格するためには、学力偏差値だけで考えると偏差値60~が必要とされました。
制度上の話だと公立高校で内申による足きりはないのですが、塾の先生からは息子の内申で合格できる子は年に1人いるかいないかのレベル(要するに不可能)だと言われました。
愛知県の高校の内申と偏差値を調べてみたところ、平均的にこのくらいの実力の生徒が多く入っていることが分かりました。
- 内申27の生徒の偏差値は45、当日点55点取れるくらいの実力がある
- 内申33の生徒の偏差値は55、当日点70点取れるくらいの実力がある
- 内申36の生徒の偏差値は55、当日点80点取れるくらいの実力がある
内申27の息子が当日点80点を取ることは不可能に思えました。
ボーダーラインの本当の怖さ
不合格になった高校で、自分より内申が高いけど当日点が取れていなかった友達がなぜか合格していたという話は何度か聞いたことがありました。

自己採点のミスかな?と思ってました。
本人も友達も自己採点を間違っていたのでは?と思っていたのですが、このようにボーダーラインより下回っていても合格できることが分かりました。↓
ボーダーラインに達していなくても合格できる生徒とは
A判定合格とは、にも書きましたが、
A判定合格(内申、当日点ともに募集定員内)の生徒は、たとえボーダーに達していなくても合格することができます。
A判定合格でぎりぎり合格だった人は、B判定の式で計算すると不合格となる場合があります。
それでもすでにA判定で合格しているのだから、その人は”ボーダー”以下でも合格できたことになります。

これは息子が入学後にクラスメイトと話していて、気づいたことです。
息子の受験した高校はⅢ型で塾に言われていたボーダーライン170点でした。
※当日点は全員自己採点(記述問題は0点で計算しています)
- 息子 内申27 当日点82 ⇒ 合計177点 合格(B判定合格)
- クラスメイト 内申33 当日点64 ⇒ 合計162点 合格(A判定合格)
- 中学の友達 内申29 当日点70 ⇒ 合計163点 不合格(B判定不合格)
塾の先生から息子が受験した公立高校のボーダーラインは170点と言われていましたが、実際はもっと低くても合格者がいたことが分かりました。
ボーダーラインは、あくまで”推測”です。
塾などが、塾生でその高校を受けた人の内申や当日点(本人自己申告)、塾の先生が入試問題を見て、例年と難易度を比較した上で「このくらいがボーダーだろう」と推測して出すものなので、合格点がかなり低くなることもあります。
息子・クラスメイト・中学の友達の合計点数から考えると、B判定のボーダーラインは163点だったのかもしれません。

B判定で合計点163点前後の生徒たちが、調査書内容等も含めて総合的に合否の判断をされたのかもしれません。
現在の法律では受験生が試験当日の点数結果を知る事が出来ます。
開示請求では入試の合計得点を教えてもらえるのですが…
B判定になった場合、調査書の「学習の記録」「総合的な学習の時間の記録」「特別活動の記録」「特別活動以外の諸活動の記録及び特技」「行動の記録」「その他の特記事項」が重視されること。
生徒会委員・スポーツや芸術等での受賞歴が加味されること。
高校によって匙加減部分がどこにどの程度あるかはわからないので、「自分の方が点数が高かったから」という理由だけでは合否の判断はできません。
不合格になる覚悟を持っていた息子

息子は第一志望校にしていた私立高校に不合格になっています。
愛知県では私立高校を3校まで受験することができるので、1校だけチャレンジ受験させたのですが、予想していた通り不合格となりました。
私は「受かる訳がない」と思っていましたし、息子も口には出さなくても同じ気持ちだったはずでしたが…
不合格通知を見たとき「やっぱりね」と言って笑っていた息子が、夜寝る直前になって目を赤くして「悔しい…」と呟いたのを聞いたとき、勝算のない受験をなぜさせたことを反省しました。
幸い息子はすぐに公立高校の受験に気持ちを切り替えたのですが、不合格になったことをいつまでも引きずってしまう性格の人は、チャレンジ受験するのはおススメしません。
実は公立高校の受験校を決めたとき、担任の先生から「公立高校まで不合格になるのは可哀想です」と言われてました。
そこまで言われても息子が受験を決めたのは「後悔したくない」というとてもシンプルな理由からでした。

私立高校に落ちたのは悔しかったけど、受けたことに後悔は全くしなかったから、公立高校もチャレンジしてみようと思ったんだよ。

そっか…。結果は悔しかったけど私立高校を受験したのは良かったんだね…。
最後に
ほとんどの受験生は「内申が足りている状態」で、しかも「学力検査も合格ラインになるように」準備をして入試に挑みます。
そういう人たちといっしょに試験を受けるのですから、内申が足りない状態で挑むのは、精神的にかなり辛い戦いとなります。
息子は得意の英語で満点近く取れたこと、苦手な国語で予想以上に点数が取れたこと、この2つのお陰で合格することが出来たのですが…
親の立場から言わせてもらうと「自分の実力相応の高校を受験すること」を我が子が選んでくれるのが一番安心です。
私は息子に何度も公立高校の合否の判定の説明をしました。
ボーダーラインに乗った時、内申が低いという理由だけで落とされる可能性があることも伝えました。
それでも本人の「受験する意思」は固かったので受けさせることに決めました。
私立高校に不合格になった経験があるので、「受検は合否が全てではない」なんて少しも思いません。

どんなにキレイごとを言ったところで不合格になった事実は変わらないのです。
ただ、この記事を読んで、内申が低いことが大きなリスクになると分かった上で「挑戦したい」とお子さんが言うのなら、応援してあげて欲しいです。
年内にお近くのお店でマークシート用の鉛筆を買っておいてください。
息子の受験時、年明けに買おうとしたら売り切れていて焦りました。

息子は過去問とスタディサプリの使用で当日点を取りました。
無茶な志望校に決めたため、塾からは半分見捨てられていたので自宅でスタディサプリの講座を繰り返し見続けて勉強していました。
息子の当日点を聞いたときは、ここまで安い教材でこんなに点数が取れるとは…と驚きました。
(私と娘、塾の先生も息子の当日点を疑って確認をしたくらいでした)

苦手な単元は1.5倍速で3回繰り返し見て覚えたよ。ラスト1カ月は1日6時間くらいは見ていたなぁ。
年会費・入会金もかからないので、1か月の使用だけでも利用できますよ。