文部科学省が発表したデータによれば、私立大学の「推薦入試による入学者数」は入学者総数の約60%とのことです。
令和は推薦で大学へ行く時代と言っても過言ではありません…。
一般入試を受ける人が少数派だと聞くと、「何でこんな苦しい思いをして受験勉強しなければならないんだろう」と辛く感じてしまいますよね。
うちの娘と息子は、高校も大学も一般入試を受けたので、「推薦をもらって早く大学受験を終わらせたかった」と愚痴を言いたくなる気持ちがよく分かります。
今はすっごく辛いけど、一般入試を乗り越えた先のメリットはちゃんとあるからね。
この記事では、うちの娘が大学4年生になってから実感していた「一般入試を頑張って受けて良かった」ことを中心にまとめます。
一般入試を受ける人は本当に少数派?
全国的な統計では、一般入試を受ける人が約40%と少数派なのですが、実際のところ高校によって「一般入試率」は大きな差があります。
<娘が通っていた公立高校>
・推薦で進学する生徒は学年で10人くらい
・学年の90%以上の生徒が国公立大学を受験する
娘が通っていた高校は、田舎の進学校あるあるで、国公立大学を受験するのが当たり前でした。
推薦で大学が決まった生徒は親子で呼び出され、「勉強を頑張っている生徒の邪魔をしないように」と先生方から釘を刺されていました。
定期テストの順位が下がったら推薦を取り消すと言われてたんだって。
成績が下がって取り消された生徒はいませんでしたが、一般入試を受ける生徒に対する先生の徹底した気遣いはありがたかったです。
学年のほとんどの生徒が一丸となって共通テストと二次試験に向けて毎日勉強していたので、受験勉強の辛さはあっても、「推薦で大学が決まった人が羨ましい」という感情は全くなかったと娘は言ってました。
このように、娘が通っていた高校では、「推薦入試を受ける生徒」の方が圧倒的少数派でした。
<息子が通っていた公立高校>
・推薦で進学する生徒は学年の40%くらい
・ほとんどの生徒が私立大学に進学する
息子が通っていた高校は、推薦で進学する生徒が学年の40%ととても多く、他にも医療系の専門学校に進学する生徒もいたので、一般入試を受ける人は学年全体の半数以下でした。
秋の学校祭のあとに打ち上げに行くメンバー(推薦組)と行かないメンバー(一般受験組)が半々だったよ。
受験生の秋は打ち上げどころじゃないよねぇ…。
受験が終わった友達から「週末遊びに行こうよ!」と誘われたり、SNSにテーマパークで遊んでいる写真が上がっていたり、バイトを始めたと自慢(?)してくるクラスメイトがいたり…息子はかなりイラッとしてました。(受験生あるある)
このように、息子の通っていた高校では、「一般入試を受ける生徒」の方が少数派でした。
クラスのほぼ全員が勉強している環境の娘の高校の方が、受験期間中の精神的な負担は少なかったように思います。
推薦入試を断って、一般入試を受ける生徒もいます
息子のクラスメイトの友達は、校内評定4.9だったので、希望すれば最優先で推薦をもらえたはずでしたが、敢えて一般入試を受けて県外の理系の大学に進学しました。
理系クラスで3年間の評定4.9は本当に凄いねぇ。
推薦を断った理由は、「実力で入れなければ、大学に入学してから勉強について行けないから」という親の方針があったからでした。
留年率が高くて有名な理系の大学だから、合格してからも英語と数学の勉強は続けていたよ。
「留年や退学したときに高校に連絡が行くのは嫌だから」
「自分の大学の成績を元に、高校の指定校推薦の枠数が変わるのは嫌だから」
「就活で推薦だと不利になると聞いたから」
以上の理由から推薦をもらわない生徒もいました。
私は第一志望が国立大学だったから推薦をもらわなかっただけだよ。
ところで「就活で推薦だと不利になる」なんてことはありません。
娘は就活で、エントリーの段階で入試方式を入力する必要があった会社は3社ありましたが、その内の1社で推薦の友達が内定をもらっていました。
大学の偏差値は大学受験で終わりですが、推薦でも一般でも入学後に勉強に励み学力を伸ばす学生はいます。
もし入試方式だけを見て入学後4年間の努力を認めてくれない会社なら、入社試験を受けなければいいだけです。
一般入試で頑張ってよかった?
人の価値観や人生観はそれぞれ違います。
自分の評定で行ける大学に推薦をもらって「年内に進学先が決まってラッキー!」と感じる人、必死で勉強を頑張って、「合否はともかく一般で受験してよかった!」と思う人など様々です。
色んな考え方があるんだから、自分の目的に沿った受験方法を選べばいいよね。
さて、娘が苦しい思いをして「一般入試を受けてよかった」と言っている一番の理由は、自分に自信がついたことです。
大学受験を通して、苦しくても頑張れる根性も身に付きました。
娘は「大学受験であれだけ勉強を頑張ることができたんだから」、と大学に入ってからもコツコツ勉強を続け、高倍率の教科の教員採用試験に合格しました。
教員採用試験の勉強と同時進行で就活も進めていて、大手数社から内定をいただくこともできました。
※教員採用の二次試験は辞退して、来春から一般企業に入社することが決まっています。
この先、就職してからも大変なことは沢山あると思いますが、娘が受験で身に着けた「自信」と「苦しくても頑張れる根性」は一生力になってくれるはずです。
根性論かと言われそうですが、教採も就活も、早い段階で諦めてしまう学生が多かったので、人生早いうちに大変な思いをしておく経験も必要だなと思った次第です。
最後に
推薦か一般、どちらが大変か?という論争がよく耳にしますが、
うちの娘は定期テストの勉強は高校3年間ずっと三週間前から始めるくらいに頑張っていて、3年生の評定は4.8を取りましたが、受験勉強の方が大変だと言っています。
テスト範囲だけやればいい定期テストの勉強と、高校全範囲やる必要がある受験勉強の大変さは比べ物にならないよ。
高校の学年300人の中で競うのと、全国何千人の受験生の中で競う大変さも違うよね。
結局のところ、受験で本当に公平なのは、みんな同じ問題を解く共通テストや一般入試だけですね。
ところで「受験勉強の大変さ」と「入学後に勉強に励む学生」はイコールではありません。
入学後は推薦、一般どちらも、真面目に勉強を頑張る学生と授業をサボって単位を落としまくる学生はいるよと娘は言っています。
大学入学はゴールではなくスタートだからね。
一般入試に向けて日々勉強を頑張っている受験生のみなさんへ
娘と息子の受験の経験上、辛いのは年末までです。
年が明けて共通テストが始まると日々の入試に必死で「推薦で決まった人が羨ましい」どころではなくなります。
模試で合格最低点を超えたことがなかった人でも合格することはあります。
うちの娘がそうでした。
共通テストが終わると気が抜けてしまう受験生もいますが、最後の試験まで諦めずに頑張ってください。
この記事のアイキャッチ画像のお花は雪割草です。
雪割草のように冷たい冬を堪え 春にはキレイな花を咲かせてくださいね。
応援しています。