2025年4月に「愛知県初」となるフレキシブルハイスクールが開校します。
なんと、全日制・昼間定時制・通信制の3課程を1つの学校内に置き、フレキシブルに行き来して学べる高校なんです!
フレキシブルハイスクールの対象校、入試方式、どのような科目を学べるのか?等々、詳しくまとめましたので、興味がある方はぜひ参考に読んでみてくださいね。
この記事が受験生の志望校選びの参考になれば幸いです。
フレキシブルハイスクールとは?
フレキシブルハイスクールとは、不登校経験者など多様な学習ニーズをもつ生徒にとって学びやすい高校として、全日制・昼間定時制・通信制の3課程を一つの学校内に置き、3課程間をフレキシブルに行き来して学べる新しいタイプの高校です。
⇒フレキシブルハイスクールのチラシはこちらです。
全日制高校だけでなく、全日制定時制高校、通信制高校も検討している中学生の選択肢に入れることができますね。
これは一例ですが、以下のように他の課程の科目を履修することができるので、定時制や通信制を選んだ生徒でも3年で卒業が可能になります。
高校一年生 通信制に入学
高校二年生 「併修」昼間定時制科目を履修
高校三年生 「併修」全日制科目を履修
最初は通信制に入っても、他の課程に転籍することが可能です。(条件あり)
通学を徐々に多くしたいと考えている人に向いています。
「併修」ってどういう意味なの?
昼間定時制や通信制に在籍しながら、全日制の授業を受けられるしくみを「併修」と言うんだよ。
愛知県からのサポート
定時制、通信制高校は4年間で卒業するのが一般的ですが、早く卒業を目指して頑張る生徒もいます。
ですが、3年で卒業を目指して「追加の授業」を受けることで、費用が国からの補助を超えてしまうことがあり、その費用は自分で支払う必要がある状態です。
愛知県は「早くの卒業を目指して頑張る生徒にお金の負担をかけるのはおかしい」という考えから、フレキシブルハイスクールを設置し、県独自でその費用をサポートすることにしました。
新しい高校を増やすのではなく、現行の高校が活用されるのも「フレキシブルハイスクール」の利点であり特徴です。
全日制・昼間定時制・通信制の違いについて
平日の昼間の決められた時間に学校に通い、土日は休みです。
平日に6時間程度の授業を受け、修業年限は3年間と定められています。
1日4時間程度の授業を4年間受けると、卒業することができます。
4年間で卒業するのが一般的ですが、3年間で卒業を目指すコースだと1日の授業時間が6時間程度に増えます。
基本的に自宅学習とレポート提出が中心で、登校頻度を自分で決められる高校が多いです。
単位制なので決められた単位を修得すれば卒業できます。
フレキシブルハイスクールの対象校
愛知県立佐屋高等学校
愛知県愛西市東條町高田39
佐屋高校のこちらのサイトに「フレキシブルハイスクールについて」載っています。
全日制単位制は「農業科・家庭科」となりますが、通信制から全日制単位制に併修すると、普通科以外の勉強をすることになるのかな?
愛知県立武豊高等学校
愛知県知多郡武豊町ヲヲガケ8番地
武豊高校の公式ホームページに「フレキシブルハイスクール」の詳しい資料が掲載されています。(ホームページ内にはQ&Aも載っています)
⇒フレキシブルハイスクール学校案内2024
⇒中学生向けフレキシブルハイスクール案内
⇒保育系選択授業について(子ども発達コースから改称)
とても分かりやすい資料です!
ぜひ読んでみてくださいね。
愛知県立豊野高等学校
愛知県豊田市渡刈町3丁目3番地1
こちらは豊野高校の公式Instagramに載っている情報です。
全日制・昼間定時制・通信制は全て豊野高校の敷地にありますが、「全日制・昼間定時制」専用の校舎と「通信制」の専用の校舎があり、入口も別になります。
「通信制」はスクーリング以外の日でも、学校へ来て学習や他の活動することもできます。
愛知県立御津あおば高等学校
愛知県豊川市御津町豊沢松ノ下1番地
全日制単位制及び昼間定時制を併置されている高校でしたが、令和7年度には、通信制も併設され、フレキシブルハイスクールの対象校になります。
御津あおば高校の公式ホームページに詳しい学校紹介の動画が載っています。
フレキシブルハイスクールの入試方法
愛知県教育委員会から入試方法について発表されました。
面接、作文及び基礎学力検査のうち、いずれか一つ若しくは二つ又はその全てを行うことができます。
なお、基礎学力検査は、国語、数学及び外国語(英語)の基礎的な内容とします。
※入学者選抜の結果、合格者が募集人員に満たない高等学校・学科において第2次選抜を実施します。また、当該高等学校・学科における面接、作文及び基礎学力検査の実施の有無は、第2次選抜募集人員とともに示します。引用:愛知県公立高等学校入学者選抜
入学検査について調べてみました。
高等学校名 | 学科名 | 入学検査 | ||
面接 | 作文 | 基礎学力検査 | ||
愛知県立佐屋高等学校 | 普通 | なし | なし | 実施 |
愛知県立武武豊高等学校 | 普通 | 実施 | なし | 実施 |
愛知県立豊野高等学校 | 普通 | 実施 | なし | 実施 |
愛知県立根津あおば高等学校 | 普通 | 実施 | なし | 実施 |
普通科の高校と同じで、定員割れしなかったら第2次選抜は行われないよ。
出願期間 2025年1月30日(木)~2月6日(木)
入学検査 2025年2月13日(木)
合格発表 2025年2月18日(火)
<第2次選抜>
出願期間 2025年3月6日(木)~3月13日(木)
入学検査 2025年3月17日(月)
合格発表 2025年3月18日(火)
定時制高校と受験日が重なるので、受験生はどちらかを選択することになります。
フレキシブルハイスクールの入学検査の参考資料はコチラです。
⇒令和7年度愛知県公立高等学校入学者選抜における定時制課程及び通信制課程の入学者選抜について
メリット・デメリット
フレキシブルハイスクールについて理解した上で、個人的に感じたメリット・デメリットをまとめてみました。
メリット
- 個々の事情に合わせて授業形式を選ぶことができる
- 「他の課程」に転籍しても同じ学校で学び続けることができる
- 通学を徐々に増やすことができる
- 進学の選択肢が増える
デメリット
- 先生や生徒同士のコミュニケーションが不足しやすい
- オンライン授業を受ける生徒は、授業の質が各家庭の通信環境に左右される
最初に「他の課程の科目を履修することができる」と聞いたときは、オペレーションが複雑になりそうだな…と思いましたが、武豊高校の資料を見て、転籍・併修は年度ごとに行われ、併修事業が受けられる時間も決まっていたので、これなら生徒が混乱することもないな、と思いました。
全国のフレキシブルハイスクール
「フレキシブルハイスクール」は全国にあるのかな?と調べてみたところ、
神奈川県では「フレキシブルスクール」⇒川崎高校・厚木清南高校
栃木県では「フレックスハイスクール」⇒学悠館高等学校
群馬県では「フレックススクール」⇒前橋清陵高校・太田フレックス高校
茨木県では「フレックススクール」⇒水戸南高校・鹿島灘高校・結城第二高校・茎崎高校・高萩高校
そして広島市立広島みらい創生高等学校では「フレキシブル課程」の呼称が用いられていることが分かりました。
フレキシブルハイスクールは愛知県独自の呼称でした。
最後に
令和7年度から新設される「フレキシブルハイスクール」についてまとめました。
全日制/昼間定時制/通信制を1つの高校に置いてあるので、「全日制に行きたいけどついて行けるか不安だな…」と感じている生徒も、志望校の視野に入れることができます。
フレキシブルハイスクールは全国でもまだ少ない、新しいタイプの高校です。
説明会など参加したり、ホームページなどで口コミを調べて検討してみてくださいね。