大学3年生の娘と高校3年生の息子がいます。
息子は理系クラスに入っているのですが、物理が大の苦手科目です。
自分から物理選択しておいて苦手ってどういう事なの…?
こんなに難しくなるとは思わなかったんだよ~。
高校1年生の『物理基礎』はなんとか理解できていたのですが…高校2年生に入り『物理』に変わった途端、息子はどんなに勉強を頑張っても平均点を取るのが精一杯になりました。
『物理基礎』と『物理』では難易度が4倍違うと言われていますが、本当にその通りだったよ…と落ち込んでいました。
3年生になって、ますます『物理』から逃げたくなっている息子ですが、先日突然「共通テストの理科の選択科目は『地学』にしようかな?」と言い出しました。
『地学』ってどんな教科なの?
物理と違って暗記要素が大きい教科だから自学する人が多いんだって!
計算要素が大きい『物理』を捨てて、暗記要素が大きい『地学』を選択したい気持ちは分かるのですが、高校3年生から地学の勉強を始めて受験に間に合うのか?独学できるのか?など心配です。
個人的にも『地学基礎』と『地学』はどのようなことが学べる科目か気になったので、詳しく調べてみることにしました。
高校で地学は習う?
娘、息子どちらの高校も授業で『地学』は習いません。
愛知県内で『地学基礎』が開校されているのは50校、『地学』が開校されているのは以下の4校です。
【県立】 熱田高等学校 |
【県立】 旭丘高等学校 |
【市立】 名古屋市立向陽高等学校 |
【私立】 中部大学第一高等学校 |
※希望者数が少なかったりと授業を行っていない場合もあるので、開校状況については各高校にお問い合わせください。
愛知県の高校は220校もあるのに、『地学』を教えてくれる高校が4校だけって少なすぎない?
確かに少ないなぁ…と調べてみたところ、愛知県が飛びぬけて少ない訳ではなく、2017年~2018年に行われた全国調査で『地学基礎』と『地学』を教えている高校は以下の通りでした。
『地学』開設校数は公立学校では 3,173 校中 325 校
『地学』を教えてくれる高校は全国的にも少ないんだね。
愛知県外で『地学』を開講している高校は下記のサイトが参考になります。
(開講されているのかについては必ず問い合わせてください)
なぜ地学を学べる高校が少ないのか?
共通テストの理科の選択科目に入っているくらいなのに、何でこんなに学べる高校が少ないの?
学べる高校が少ない理由ですが、日本全国の地学の教員数が少な過ぎるため『物理基礎』を開講することができない状態だからです。
こちらの調査を読んでみたところ、愛知県では過去40年で地学教員の採用者数はなんと1人しかいませんでした。
➔ 高等学校理科「地学基礎」「地学」開設率の都道府県ごとの違いとその要因
それだけ採用者数が少ないと地学の教職を取る人もいなくなりますよねぇ。
地学を教えてくれる塾、予備校はある?
検索したところ、個別塾は沢山ヒットしたのですが、大手予備校では以下の4校で『地学』を教えていることが分かりました。
代々木ゼミナール
代々木ゼミナール本部校代ゼミタワーで『蜷川雅晴先生』が地学を教えています。
生授業は本部校のみで、それ以外の校舎(代ゼミサテライン予備校を含む)だと映像授業になります。
河合塾
池袋校で受講が可能です。
夏期講習・冬期講習・直前講習もあります。
校舎、コースともとても多いので、問い合わせてみてくださいね。
駿台予備校
お茶の水校で受講が可能です。
夏期講習・冬期講習もあります。
記述模試にも地学がありますよ!
東進ハイスクール
共通テスト向けの「地学」の授業があります。
- 大学入学共通テスト対策 地学
- 高等学校対応 地学基礎
担当講師は青木先生で、こちらの参考書も出版されています。
初心者でもわかりやすい内容で、共通テスト対策にもなる参考書です。
中身を確認したかったので近所の大型書店で探したのですが、残念ながら置いてありませんでした。
- 高校の授業対策
- 共通テスト対策
- 国公立2次対策
この3点でどの対策をしたいのかでも受ける授業は変わって来るので、各大手予備校に問い合わせて内容を詳しく聞いてみることをおすすめします。
地学の押さえておくべき参考書
家の近くの大型書店で探したのですが、『地学基礎』と『地学』の問題集、参考書は売っていませんでした。
改めてマイナーな教科なんだな…と思いました。
英語や数学など、本棚いっぱいに様々な参考書が置かれているようなことはなく、『地学』は日本全国、ほぼ同じ教科書・同じ問題集で勉強していると聞いて納得でした。
息子は「参考書や問題集は少ない方が共通テストの対策がしやすいよね」と言っていました。
実際、『地学』では共通テストで極端に難しい問題、バリエーションが少ない・見たこともない問題がないそうです。
押さえておくべき教科書、参考書
『地学基礎』の教科書は様々な出版社から出版されていますが、「地学」は数研出版と啓林館のみ出版されています。
啓林館はページ数が多く詳しく書かれていますが、独学なら数研出版がおすすめとのことです。
『地学基礎』と『地学』の教科書を買う時は出版社は統一してくださいね!
啓林館の教科書はこちらです。
数研出版の教科書はこちらです。
おすすめ参考書
おすすめ問題集
問題集は「センサー地学」(啓林館)がおすすめですが、こちらは高校と契約を結んでいる教科書販売店に行って注文する必要があります。
高校の先生に教科書販売店の場所を教えてもらい、直接買いに行くこともできるそうです。
共通テスト対策
教科書、参考書を安く買う方法
娘はこの春休みにAmazonで大学で使う教科書をまとめ買いしていました。
「Amazon Prime Student」に入会すれば3冊同時購入することで10%のポイント還元が付くからお得だよ!
教科書は高いので、まとめ買いするなら「Amazon Prime Student」で頼むことをおすすめします。
登録すると6カ月無料で使うことができるので、学生さんは教科書を購入するタイミングで登録してお得に購入してくださいね。
理科の受験者数
令和4年度の理科の受験者数です。
理科 | 教科 | 科目名 | 受験者数 | 平均点 |
理科1 | 物理基礎 | 19,395人 | 60.80 | |
化学基礎 | 100,461人 | 55.46 | ||
生物基礎 | 125,498人 | 47.80 | ||
地学基礎 | 43,943人 | 70.94 | ||
理科2 | 物理 | 148,585人 | 60.72 | |
化学 | 184,028人 | 47.63 | ||
生物 | 58,676人 | 48.81 | ||
地学 | 1,350人 | 52.72 |
地学基礎の受験者数が想像以上に多く、平均点も一番高いことに驚きました!
地学の受験者数が4桁って少な過ぎない?
『地学基礎』は独学で勉強する受験者が多そうですが、『地学』は高校で学んだ人でないと受験することが難しいのかもしれません。
地学を学べる大学
愛知県内で地学を学べる大学は、『名古屋大学の理学部地球惑星科学科』1校だけでした。
愛知県内の私立大学で『地学』を学べるところは無いんだね…。
『地学』が学べる国公立大学は全国に222校あるのですが、私立大学は71校と少ないです。
理系の入試で『地学』を専攻したいなら、必然的に国公立大学を志望することになります。
最後に
息子に突然『地学』に興味を持った理由について改めて聞いてみたところ、「Youtubeで高田ふーみんさんが完全独学で地学やったって言ってたから…」と言われたので、却下しました。
『地学基礎』なら来年の受験に間に合うかもしれないけど、他の教科の勉強をしながら『地学』を独学するのは厳しいと思うよ!
確かに…一から地学の勉強をするくらいなら、物理を頑張った方がいいね。
興味があってどうしても『地学』の勉強したいのなら、やってみても良いのですが、大好きなYoutubeを見て影響を受けているだけなので止めてもらうことにしました。
計算が得意な「理系の人」の理科の難易度は以下の通りです。
物理>化学>地学>生物
暗記が得意な「文系の人」の理科の難易度は以下の通りです。
生物基礎>地学基礎>化学基礎>物理基礎
※娘は文系でしたが計算が得意だったので、共通テストは『物理基礎』と『化学基礎』を選んで受験しました。
化学だけで受験できる大学を探そうかなぁ…
いっそ文転すればいいんじゃないの?