大学1年生の娘と高校1年生の息子がいます。
大学1年生の娘は今年の3月、第1志望だった国立大学に落ちました。
今は第2志望の私立大学に通っています!
入学してすぐに友達ができ、「大学に行くのが楽しい」と言っている娘の姿を見ていると、私立大学のデメリットである「学費が高い」は些細な問題に感じます。
いや、やっぱり高いけすけど~!!(笑)
娘が通っていた高校は進学率は100%でしたが、有名大学に進学する子はそこまで多くありませんでした。
看護や美容系の専門学校に進学する生徒も全体の1割ほどいました。
自称進学校だったからね!
「自称進学校あるある」ですが、高校の先生方は国公立大学をやたらとすすめて来ました。
全校集会で国公立大学の良さを長々と生徒に話したり、有名私立大学より地方国公立大学をあからさまにすすめて来る先生もいました。
秋田県の国立大学出身の先生からは、全校集会で「秋田はお米が美味しくて最高!」との自慢話を聞かされたとのことで…
家に帰って来た娘から「秋田県にある国立大学に行きたいなぁ」と突然言われた時は、「何で秋田県?」と驚きました。
親戚もいないし、行ったこともないのに突然言われてびっくりしました!
今思えば先生たちの上手な話に洗脳されてたよ。
幸い、娘の担任になった先生からは国公立大学を無理にすすめられることはなく「娘の行きたい大学」を最優先に考え下調べをした上でアドバイスをしてくれました。
「国公立大学の設備は素晴らしいですが、私立大学を見学に行くと校舎とキャンパスが綺麗でキラキラしているから行きたくなっちゃうんですよ」
なんて話もしてくれました。
娘の担任になった先生は全員「私立大学」を卒業していたことを後から聞きました。
3年生の時の担任の先生は、国立大学に受かってたけど蹴って私立大学に進学したんだって!
私の中で国公立大学の良さと言えば、学費が安いことが一番に挙げられます。
でも、学費が安いと言う理由だけで「どこでも良いから国公立大学に進学して欲しい」とは思いません。
高校1年生の息子にもそう伝えています。
設備の面で言えば、世間で言うところのFラン大学でも、素晴らしい設備が整っている大学が沢山ありますから…。
さて、娘は国立大学を第1志望にして受験しましたが、家から片道2時間近くかかる距離にある周りには全く遊ぶところがない田舎にある大学でした。
受験が終わって私立大学に通っている今「合格していたら家から通うつもりだったの?」と聞いてみたところ、
「距離的に一人暮らしになっていたかも…今思えば私立大学で正解だったなぁ」とのことでした。
もし第一志望にしていた国立大学に合格していたら、娘の将来の仕事の選択肢はひとつに絞られていました。
今通っている私立大学の方が、将来の仕事の選択肢は広がったからその点は良かったよ!
今年度の受験生の皆さんが、国公立大学の受験だけにこだわり過ぎないように…
娘と娘の友人の受験の体験談をまとめます。
この記事を読んで、大学の選択肢を私立大学にも広げてもらえたら幸いです!
高校の進学実績のため?
愛知県は高校卒業後に地元の大学・短大・専門学校に進学する率が全国最多です。
16年度の文部科学省調査によると、高卒後に自県の大学や短大、専門学校に進学した割合は愛知が全国最多の71%。地元志向の背景について、名古屋に本校がある「河合塾」教育情報部の岩瀬香織チーフは「実家から通えるエリアに多数の大学があり、有力企業が多いため就職の不安が少ない」と説明。遠方の国公立大に合格しても愛知の私大に進む受験生が多いという。
出典:PRESIDENT Online
高校の進路説明会でも、愛知県では県外の国公立に進学しても、Uターン就職するため戻って来る子が多いと聞きました。
最終的には愛知県で就職を考える子が多いのに、どうして娘の通う高校ではやたらと「地方国公立大学」をすすめるのかが不思議でした。
国公立大学の合格者数は、その高校の学力レベルを測るものさしになることは知っていましたが、望んでいない子まで地方国公立大学を受けさせるのには疑問でした。
娘も愛知県内で就職を考えていましたが、いつの間にか地方の国公立大学に目を向けるようになっていました。
娘の進路希望調査表に、奈良県や九州や青森県、果ては北海道の国公立大学の名前を書いてあるのを見て、「どうしてそんな遠くの大学を受けたいの?」と聞くと「だって国公立だから」と一言で返されました。
国公立大学ならどこでも良くなっていました…。
私の大学に関するアドバイスは一切聞かなくなって困っていましたが、中学時代に通っていた塾の先生に進路の相談をしに行って話を聞いたことで、娘はようやく目を覚ましてくれました。
「県外の国公立大学にしかない学部ならともかく、愛知県で教員を目指すなら県内の私立大学の教育学部に行けばいいんじゃない?」
「このままだと、高校の進学実績のために地方の国公立大学を受験することになるよ?」
塾の先生から、こう言われてハッと気づいたそうです。
そしてようやく県内の私立大学のことも調べるようになりました。
塾の先生に感謝です!
塾の先生からは他にもいくつか的確なアドバイスをいただきました。
学校や親以外に受験の相談できる場所があるのはとても有難いことだと感じました。
国公立大学ばかりすすめる先生
娘の担任の先生は無理に国公立大学をすすめて来ることはありませんでしたが、隣のクラスの友達は担任の先生からやたらすすめられて困ったそうです。
友達が全く望んでいなかった九州の国公立大学をすすめられたので
「我が家の経済状況では、九州の大学に進学したら在学中に帰省が出来なくなります」と担任の先生に伝えたところ…
「九州の国公立大学に進学した子は帰省しないから大丈夫です」と言われたそうです。
一体何が大丈夫なの…?
その言葉を聞いてから友達は、担任の先生は「自分の為になるアドバイスはしてくれない」と割り切ることができ、国公立大学の名前を出されても完全にスルーできるようになったそうです。
その後、最初から志望していた私立大学の受験に勉強を切り替え、合格することができました。
正しい判断でした!
県外の国公立大学に進学した友人
娘の友人で地方国公立大学に進学した友人は2人います。
九州の国公立大学に進学したSちゃん
Aちゃんが志望していたのはとても珍しい学部で、国公立大学だと九州に1校しか無かったそうです。
どうしてもその学部に進学したかったから、地方国公立大学一択になったんだって!
それなら地方に行くのも仕方ないね。
北海道の国公立大学に進学したA君
S君が志望していたのは保育学部でしたが、県内で受けた私立大学は全て落ちてしまいました。
私立大学の後期試験を受けることも検討したそうですが、思い切ってA判定の出ている北海道の国立大学を受けてみたところ合格することができました!
雪の多い地域にある大学なこともあり、親からはかなり反対されたそうですが本人の意思は固く、北海道に旅立って行きました。
親からは私立大学の後期試験を受けるように何度も言われてたんだって。
親の心配する気持ちも分かるけどね!
AちゃんとS君の話を聞いて、地方国公立大学でも自ら決めて受験し進学する子が一定数いることが分かりました。
先生にすすめられても、自分が行きたくなかったら受けないよね!
全教科勉強するリスク
私立大学と国公立大学では受験する科目数が違います!
私立大学を目指すなら「3教科」の勉強を中心にやる必要がありますが、国公立大学を目指すなら「5教科7科目」の勉強をしなければなりません。
うちの娘の場合「英語」が苦手だったので、本来なら英語を集中して勉強するべきでした。
それなのに国立大学を目指して全教科の勉強を均等に頑張ったため、共通テストの合計点が伸び悩む結果となりました。
そして第一志望にしていた国立大学には不合格となりました。
娘のように苦手教科がある子は、得意教科を使って勝負できる私立大学を目指した方が、良い結果が出る場合もあります。
国公立大学だけを目指して全教科の勉強を頑張って来た子たちは、国公立か私立かの「実力の見極め」を自分で判断するのが非常に難しいです。
国公立至上主義の高校はたとえ共通テストの結果がE判定でも受験させようとしますから…
進学先のアドバイスをもらうと言う意味で、学校関係者以外の第三者(塾の先生など)の相談相手は必要です。
私立大学に入学して良かったこと
娘の通っている私立大学は、留学制度がとても充実しています。
そして総合大学なので、自分が選考した学部以外の授業も受けることができます。
娘の通う総合大学の話はコチラに書きました。↓
「大学生活」2つの学部で迷ったら総合大学をおすすめします!!
娘が私立大学に進学する点でひとつ懸念していたのが、推薦入学者の比率が高いことでした。
今の私立大学のシステム上、前もって推薦入学者の確保をしておかなければ経営が成たないことは分かります。
友達の通う大学では、保育学部は9割以上が推薦入学なんだって!!
「今どきはどこの大学でも半数近くが推薦入学」という話を聞くと、一般入試で頑張って入学する意味はあるのかな?と考えてしまうこともあったそうです。
娘も今の大学に入学する前までは、「推薦入学の子には絶対に負けたくない」と言っていました。
ただ、いざ入学してみると娘の学部では、国公立大学に落ちて入学した子と推薦入学で入学した子が6対4くらいの割合でした。
ゼミのメンバー(全員仲良し!!)も、10人中4人が推薦入学とのことでした。
入学して半年近く経った今、「勉強が出来る子や出来ない子、色んな偏差値や価値観の子がいて楽しいよ!!」と娘は言っています。
ゼミでひとり勉強が苦手な子がいるそうで、一緒に夕方遅くまで大学の図書館に残ってレポートの書き方を教える日もあるのですが、頼って貰えるのが嬉しいと言っていました。
色んな友達と接しながらお互いに成長しています!
様々な受験方法
私の時代と違い、今の大学受験には様々な受験の方法があります。
国公立大学も色んな推薦入学の方法がありますので、本当に行きたい大学は夏休み中までに受験方法を全て調べておくことをおすすめします。
ちなみに国公立至上主義だった娘の通っていた高校では、私立大学だけでなく国公立大学の推薦の方法も教えては貰えませんでした。
後から推薦基準に達していたことが分かったりして、悔しい思いもしました…
私立大学は驚くほど沢山の受験日と方法があるので、最終的には「お金」との相談になります(笑)
最後に
自宅から私立大学に通うより、地方国公立で一人暮らしをさせた方が安いと言う話を先生がしていたと娘から聞きましたが…
一般的な文系の大学でしたら、自宅から私立大学に通った方が安いです!
娘の周りの一人暮らしをしている子の話を聞くと、月の仕送りのトータルが10万を超えている子が何人かいました。
仕送りだけで年間120万円になるので、この時点で私立大学の年間の学費に相当します。
ここで注意する点ですが、
今の時代、国公立大学はそこまで安くはありません!!
国公立大学の方が生徒のモチベーションが高いから学習環境が良いと聞きますが…
娘の話を聞くと、私立大学でも可能な限り授業を詰め込んで、月曜から土曜日までずっと6限まで授業を入れて頑張っている子もいます。
私も2つの学部を掛け持ちしているから、平日は空きコマが全くないよ~!!
結局はどこの大学を出たかより、大学で何を学んだかが重要なんですよね。
価値観が多様化した現在において、国公立大学の受験だけにこだわる必要は全くありません。
大学生活を有意義なものにするためにも、まずは自分が大学で勉強したいことをじっくり考えてみて下さい。
自分のための受験です!!