大学3年生の娘と高校3年生の息子がいます。
2020年に指定校推薦と公募推薦は「学校推薦型選抜」に名称が変わりました。
この記事では分かりやすくするために指定校推薦と書きますね!
指定校推薦が「学校推薦型選抜」に名称が変わったと同時に、筆記試験や高校の推薦書が必須となり、調査書の内容がより詳細になりましたが、新制度に変わっても大学側から高校への入学枠の割り当ては従来と変わっていません。
入試枠の割り当てが決まっている=倍率がほぼ1倍ということなので、指定校推薦はよほどのことが無い限り落とされることのない入試です。
高校から推薦がもらえれば確実に大学に入学することができて、受験費用も最低限で抑えられる魅力的な入試制度なので、息子の友達には指定校推薦目当てで志望校(高校)を決める人もいました。
私は今までいくつか指定校推薦についての記事を書いています。
一番人気の記事はコチラです。
この記事を書いたとき詳しく調べたのですが、公立高校の指定校推薦枠はホームページ上ではどこも公表されておらず…
公立高校の指定校についての情報は、原則として公表できないと聞いていたのですがその通りでした。
ただ、娘と息子がそれぞれ全く違う校風の高校(進学校)に入学したことで、長年の指定校推薦についての疑問がいくつか解消されました。
今回は、娘と息子の高校の指定校推薦枠についてよくある疑問である「指定校推薦枠の多い高校はどこなのか」についてまとめます。
この記事が受験生の参考になれば幸いです。
指定校推薦枠の多い高校はどこなのか?
「指定校推薦枠の多い高校はどこなのか?」なのですが、結論から先に書きますと、県内の偏差値50以上の進学校でしたらどこも指定校推薦枠は多く持っています。
娘の通っていた歴史の浅い新設高校と息子の通う歴史ある高校で比較してみたところ、指定校推薦が来ている大学の数はほとんど変わりませんでした。
歴史のある高校(伝統校)の方が指定校推薦枠は多いと聞いていたので意外でした。
指定校推薦は玉石混交です!
一番注意すべきことは「どこの大学の指定校推薦枠があるのか」ということです。
高校に来る指定校推薦は玉石混合です。
数を持っていれば良いという訳ではありません。
ちなみに公立・私立ともに、「偏差値の高い大学の指定校推薦枠」を一番多く持っているのは県内のトップ偏差値の高校です。
指定校推薦というのは、大学から高校を選ぶのですから、学力が高い生徒が多い高校に偏差値の高い大学の指定校推薦が集まるのは当然のことです。
繰り返しますが偏差値70の高校も、偏差値50の高校も、「指定校推薦の枠」自体はたくさん持っています。
問題は指定校推薦が来ている大学の数ではなく中身です。
県内トップ3に入る高校に通うお子さんの指定校推薦枠には早稲田・慶應・Marchに関関同立と有名私大が揃っていて、それなのに旧帝大を目指す生徒ばかりなので余っているとのことですが…
偏差値50の普通科の高校に通う息子の友達から指定校推薦枠について聞いてみたところ、数は多くても県内の私立大学ばかりズラッと並んでいて、大半が三流大学やBFの大学でした。
たくさんあれば良いってものではないね。
有名私大などのレベルの高い大学の指定校推薦が欲しいのなら、少しでも偏差値が高い高校を目指すのが正解です。
娘と息子の高校の指定校推薦枠を比較してみました
娘の通っていた高校の指定校推薦枠
- 偏差値60の普通科の進学校(公立高校)
- 歴史の浅い新設校
- 指定校推薦を使う生徒は学年で10人くらい
上にも書きましたが、娘の通っていた高校は、歴史の浅い新設校だったので、入学前から指定校推薦の枠は少ないと聞いていました。
指定校推薦枠が少ないから使う生徒がいないんだと言われていました。
娘が高校1年生のときの三者懇談で、担任の先生に「指定校推薦がほとんどないと聞いたのですが本当ですか?」と質問してみたところ、「県内全ての私立大学に指定校推薦枠がありますよ」と言われました。
え?本当に…?と疑っていたのですが、
高校3年生になり、1日だけ「指定校推薦リスト」が掲示板に貼り出されたのですが、県内だけでなく、関西・関東の有名私立大学も多数あり、沢山の指定校推薦枠があったことに娘は驚いていました。
国公立大学を受験することに重きを置いている進学校だったので、指定校推薦枠があることを隠す先生もいたと娘は言っていました。
息子の通う高校の指定校推薦枠
- 偏差値55の普通科の進学校(公立高校)
- 歴史のある伝統校
- 指定校推薦を使って進学する生徒は全体の3~4割
歴史あると言えば聞こえは良いけど、実際のところただの古い校舎の公立高校だよ。
娘の高校より偏差値が5ほど低いのですが、伝統校だけあり娘の高校には入っていなかった有名私立大学の指定校推薦枠も持っています。
今まで卒業した先輩方が頑張ってくれたお陰だと思います。
調べてみたところ、指定校推薦が来ている大学の数は娘と息子の高校で違いがありませんでした。
ただ、同じ大学の指定校推薦でも学部と募集人数が全く違うことが分かりました。
娘と息子、どちらもA大学からの指定校推薦枠を持っていますが、娘の高校には5つの学部から2人ずつの募集がありましたが、息子の高校には1つの学部で2人しか募集がありません。
娘の高校では毎年A大学に指定校推薦で行く生徒は誰もいないのに、息子の高校ではA大学の指定校推薦は取り合いです。
例え毎年使う生徒がいなくても、偏差値の高い高校の方に多くの指定校推薦を出していることが娘と息子の高校を比較したことで分かりました。
私の友達が通っていた高校(偏差値65の公立の進学校)でも、指定校推薦を使う人はひとりもいないのに、毎年消えることなく「枠」があると言ってたよ。
私立高校と公立高校、どちらが推薦枠を多く持っているのか?
私立高校と公立高校で比べるなら、私立高校の方が推薦枠は多いです。
なぜなら私立高校は特定の私立大学と提携校の締結をしているので、指定校推薦とは別に提携校による特別推薦枠を持っているからです。
更に大学が付属している私立高校なら内部進学もできますので、確実に「推薦枠」を多く持っています。
<県内の大学の内部進学割合のデータ>
名城大付属高校 → 名城大学(内部進学割合 約4割)
中京大中京高校 → 中京大学(内部進学割合 約7割)
椙山女学院高校 → 椙山大学(内部進学割合 約6割)
愛知工業大名電高校 → 愛知工業大学(内部進学割合 約4割)
中部大春日丘高校 → 中部大学(内部進学割合 約5割)
半数近くの生徒が内部進学で付属大学に進むんだね!
私立高校の特進クラスは指定校推薦が使えません
私立高校では「特進クラス」が設置されているところがほとんどです。
特進クラスは基本的に一般入試を受けて国公立大学や難関私立大学を目指すクラスなので指定校推薦を貰うことは基本的にできません。
指定校推薦を希望するのなら「進学クラス(一般クラス)」に入ることをおすすめします。
特進クラスの方が勉強する環境は整っているんですけどね。
指定校推薦枠は毎年変わります
推薦枠は毎年見直しがあります。
例年6~7月に各大学から対象の高校に対して指定校推薦の定員数や出願条件についての通知があるのですが、息子は先日、ある大学の指定校推薦枠が今年からなくなったと先生から伝えられたそうです。
先輩が成績不振か留年をやらかしたのかな?
何年か連続で進学しないと打ち切られることもあるみたいだよ。
このように、指定校推薦の枠は毎年安定してあるとは限りません。
指定校で進学した生徒が大学で中退、成績不振などの問題を起こしたら取り消されることもあります。
指定校推薦をもらうために必要な評定
指定校推薦をもらうために必要な評定は高校によって違います。
娘の通っていた高校では評定だけで決めていましたが、息子の通う高校では模試の偏差値も見られます。
自分の評定が4.5あって、去年の先輩が4.3で大学の推薦をもらっていたからと安心していたら、今年は4.8の子がエントリーしていて落ちてしまったと言うことも多々あります。
貰えるかどうかは最後まで分かりません。
娘の通う高校では、評定平均4以上の生徒が意外と多くいました。
「高校生活」評定平均4以上の生徒は学年に何人くらいいるのか?検証してみました!!
大学受験生の半数が推薦で進学する時代です
娘は第一志望の国立大学に落ちて私立大学に進学しました。
私立大学で知り合った人から、「一生懸命勉強をがんばって一般入試を受けて入学したみたいだけど、結局推薦で入学した私と同じ大学なんて残念だったね」と言われたことがありました。
昔は推薦で大学行くなんてほんのわずかな人だったのですが、今は大学の約半数が何らかの推薦で入学しています。
最初にも書きましたが、確実に大学に入学することができて、受験費用も最低限で抑えられる魅力的な入試制度なので息子が使えるならぜひ使って欲しいです!
ですが、大学受験のための勉強を必死でやってきた娘の頑張りは無駄だったのか?と問われれば、「人間的な成長」のために必要な時間だったと断言することができます。
娘は辛い大学受験を通して、精神的に大きく成長することができました。
大学受験で味わう後のない状況や極限の緊張感、不合格通知が届いて大泣きした日もありました。
それでも娘はどんなに辛くても逃げようとせず、必死に受験勉強して来た経験は大学入学後の勉強にも生かされていて、今は難しい資格にチャレンジしています。
指定校推薦と一般入試、どちらで大学に進学するのが正解なのか?と言われれば、お子さんの性格にもよると思います。
面接に強い人、受験本番に強い人、様々ですからね。
最後に
娘は個別指導の学習塾で塾講師のアルバイトをしています。
去年の秋頃、私立中学校の事務局の方が「うちの中学に何人か受験させてくれませんか?」と塾長に頼みに来たそうです。
中学受験でも「推薦入試」はあるんだと驚いたよ。
今の時代は中学校も、高校も、そして大学も、様々な受験方法があります。
自分に合った「入試方式」を早めに見つけて対策することが大事ですね。