愛知県内で「美術科」のある高校はとても少ないです。
調べてみたところ、公立では旭丘高校、私立では東邦高校しかありませんでした。
旭丘高校と東邦高校はどちらも名古屋市内にあるので、「美術の勉強に興味があるけど遠くて通えないなぁ…」と考えている中学生もいるのではないでしょうか?
この記事では、そのような方のために、美術科以外のデザイン科、そしてCGなどを学べる高校をまとめました!
美術系の高校を卒業した息子の友達に聞いた話もまとめましたので、ぜひ参考に読んでみてくださいね。
愛知県内で「美術科」のある高校
この記事に書いてある、高校に入るための必要内申・当日点等は息子の通っていた公立中学校の先生が言っていた目安となっております。
その年度の倍率と同じように必要内申・当日点は変わりますので、受験を考えている方は、中学の先生や塾の先生にご確認くださいね。
愛知県立旭丘高等学校
旭丘高校の公式ホームページはこちらです。
JR大曽根駅(名古屋駅より12分)下車、南口より徒歩15分
みなさんご存じ!愛知県内の公立高校のトップ校である旭丘高校には「美術科」もあるんです。
息子の通っていた公立中学では、美術科は、一般入試を受けるなら内申33、当日点69くらいの実力が必要だと言われていました。
※入試における校内順位の計算式は、Ⅰ(評定得点)+(学力検査合計得点)です。
美術科なので、実技の方がとにかく重要になります。
内申33より低くてもデッサンの画力が素晴らしければ合格する可能性もありますし、逆に内申40あってもデッサンの画力が劣っていたら合格することは難しいです。
絵画教室などでみっちりデッサンをやってこないと独学で合格するのは難しい高校だって聞いたよ。
東邦高等学校
東邦高校の公式ホームページはこちらです。
地下鉄「東山線」星が丘駅下車⇒徒歩18分 一社駅下車⇒徒歩15分
愛知・岐阜・三重の東海3県で唯一「美術科」を設置している私立高校です。
息子の通っていた高校では、東邦高校の美術科の一般入試を受けるなら内申は28くらい、偏差値は49くらいの実力が必要だと言われていました。
推薦内申の目安は9教科30で美術の評定は4以上必要だったよ。
旭丘高校と同じで、一般入試の内申は参考程度となっていて実技が重視されます。
愛知県内で「デザイン科」のある高校
美術科は絵画や彫刻などを学ぶのに対して、デザイン科はCGや模型づくりなどを学びます。
名古屋市立工芸高等学校
高校の公式ホームページはこちらです。
名鉄瀬戸線 尼ケ坂駅から徒歩5分
市工芸高校では、1年生は全員で共通の授業を受け、2年生からはそれぞれのコースに分かれて学習します。
市工芸高校は娘の友人が推薦で入学しました。
友達は内申32、偏差値50くらいだったとのことです。
各学科40人一クラスで、その半数である20人を推薦で取るため、一般入試の枠はたったの20人です。
しかも、2024年10月16日に発表された進路希望調査の倍率は、なんと5.13倍と県内一位の倍率です。
市工芸高校に確実に入りたかったら中学の推薦を狙うことをおすすめするよ。
愛知県立一宮起工科高等学校
一宮起工科高校の公式ホームページはこちらです。
JR東海道本線「尾張一宮駅」または名古屋鉄道「名鉄一宮駅」から名鉄バスにて約15分
外部講師による専門的な技術指導も行っています!
工科高校は基本的に男子の方が多いのですが、デザイン科は女子率がとても高いです。
愛知県立瀬戸工科高等学校
瀬戸工科高校の公式ホームページはこちらです。
名鉄瀬戸線「尾張瀬戸駅」から徒歩6分
令和6年度工芸デザイン科卒業制作展が12月から開催されます。
⇒詳細はこちらです。
会場にて進路相談も行っていますので、気になる方はぜひ足を運んでみてくださいね。
愛知享栄学園享栄高等学校
享栄高校の公式ホームページはこちらです。
地下鉄 桜通線「桜山」4番出口 徒歩5分
こちらはデザイン科ではないのですが、商業科の中のBZ(ビズ)コース CD(シーディ)専攻でグラフィックデザイナー、イラストレーター、パッケージデザイナーを学ぶことができます。
IA(アイエィ)コース CG専攻ではWebデザイナー、アニメーター、 CGクリエイターを学べます。
興味のある方は、公式ホームページを確認してみてくださいね!
美術部の強い高校に行く選択
将来、美術系の仕事に就くことは考えておらず、そこまでハイレベルな世界を望んでいるわけではないのなら、美術部が盛んな高校に進学する選択肢もあります。
愛知県では毎年夏ごろに、アートフェスタ-愛知県高等学校総合文化祭-が愛知芸術文化センターで開催されます。
愛知県高等学校文化連盟の公式ホームページに詳細が載っています。⇒こちらです。
今年度の展示部門で参加していた高校はこちらです。
夏休み中に開催されるので、興味がある高校がありましたら是非行ってみてくださいね。
普通科の高校から美術大学に行くのは難しい?
国際教育に力を入れている高校から「外国語学部や国際系学部の大学」に進学する生徒が多いように、美術科の高校に入った方が美術大学に進むことが有利になるのかな?と思っていたのですが、息子の友達の話では「逆」で驚きました。
美術科高校の授業で学ぶ美術と、美術大学の入試で求められているものは全く違うんだって。
将来的にちゃんとした美術・デザイン系就職をしたいのであれば、東京藝術大学、金沢美術工芸大学、多摩美術大学のような入試難易度の高い上位美術大学に進学する必要があります。
あららぎ菜名さんの本にも書いてあるのですが、上位の美術大学に進学するなら、実技だけでなく相応の学力を要求されます。
国立の美大を受けるなら共通テストで点を取る必要があります。
- 高校の美術科の美術教育では上位美大の実技試験に通るだけのスキルは身に付かない
- 高校の美術科では五教科教育が少なく、学力向上が困難である
この2つの理由から、上位美大を狙うなら高校の美術科に入るより、普通科の進学校に進み、放課後は美術予備校に入って技術指導を受けるという組み合わせが最も有利とのことです。
美術科生の学校推薦もあるよね?
もちろんあるよ!だけどその恩恵に預かれるのはクラストップの数人程度なんだって…。
最後に
漫画のブルーピリオドやハチミツとクローバーに次々と出てくるような「美大にいる天才」は学年全体の1%いるかどうかだと息子の友達は言っていました。
ちょっと変わった格好をした「天才風」の人は結構いるけど、本当の「天才」は稀にしかいないんだって。
何をもって「天才」と呼ぶのかにもよるだろうけどね…。
上位の美大に行きたいなら美術科より普通科の進学校が有利と書きましたが、高校時代に大好きな絵をたくさん描いて楽しみたい!と思う気持ちも大事だと思います。
息子の友達は高校の美術科を卒業したあと、難関美大を目指して浪人中です。
高校に入学したときは「普通の仕事に就くつもり」でいたそうですが、在学中に絵を描く楽しさに目覚めて、あこがれの教授のいる大学に進学を目指してがんばっています。
普通科ではなく専門学科の場合、カリキュラムや進路などしっかり確認しておくことをおすすめします。
高校の説明会に行って、先生や在校生からしっかり話を聞いてみてね。