突然ですが、高校入試で「定員内不合格」という言葉は聞いたことがありますか?
「定員内不合格」とは、生徒数が募集定員に満たない場合でもその中の何人かを不合格にすることを言うのですが、
文部科学省が出している調査によれば、愛知県では「定員内不合格」は原則として出していないと書かれています。
定員内不合格を出していないなら、愛知県で定員割れした高校を受ければ100%合格できるってことだよね?
そのはずなんだけど、令和6年度の二次募集の不合格者は4人いるんだよ。
調べてみたところ、「愛知県の高校は二次募集で不合格者は出ない」という意見と「合格基準点を下回っていたら不合格になる」という2つの意見がありました。
愛知県の二次募集では不合格者を出していないのか?
高校ごとに合格基準点は二次試験でも設けられていて、下回れば不合格になってしまうのか?
気になったので詳しく調べてみました。
愛知県の公立高校は「定員内不合格」を出さない?
令和5年12月に文部科学省が出した資料によれば、愛知県では「定員内不合格」は原則として出していないと書かれています。
⇒ 令和5年度 高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査(公立高等学校)
資料のP32には、「志願者数が定員に満たない場合の対応等」の「ア文書、口頭、申し合わせ等により、原則として定員内不合格を出さないよう取り扱っている」の欄に〇が付いています。
令和5年度は、愛知県では定員内不合格があった学校数も0になっているね。
この資料によれば、愛知県内で定員内不合格になった生徒はいないはずなのですが…
令和5年度の二次募集では不合格者が1人出ています。
ただ、不合格になった理由は書いていないので、受験生が入試そのものを受けていない可能性もあります。
病欠などで未受験になったのかもしれません。
二次募集で不合格になった本当の理由は?
二次募集で不合格になった「本当の理由」が知りたくて調べてみました。
まず、令和2年度から令和6年度までの二次募集の不合格者数を調べてみました。
令和5.6年度はこちらの資料を参考にしました。
⇒⇒ 令和6年度愛知県公立高等学校入学者選抜の実施結果(PDF)
6ページの「8 第2次選抜」に不合格者数が記載されているよ。
令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | |
二次募集人員 | 1580人 | 2693人 | 2734人 | 2339人 | 2059人 |
志願者数 | 75 | 21 | 36 | 75 | 87 |
合格者数 | 75 | 19 | 36 | 74 | 83 |
不合格者数 | 0 | 2 | 0 | 1 | 4 |
このように、毎年ではないのですが不合格者は出ています。
愛知教育委員会には不合格になった理由が書いてある資料が見つからなかったのですが、参議院文教科学委員会 れいわ新選組がまとめた資料に「定員内不合格の理由」が書いてありました。
こちらの資料によりますと、愛知県内の普通高校、定時制高校(前期・後期)で、肢体不自由、知的障害が理由で定員内不合格者が出ています。
正式な人数は分かりませんし、どのような障害のある生徒が不合格になったのか詳細は書かれていません。
こちらは2020年までの資料ですので、令和5年(2023年)と令和6年(2024年)の不合格の理由は分かりませんでした。
結局のところ二次募集で不合格者は出ないのか?
文部科学省の令和5年度の資料にある通り、愛知県の公立高校の令和5年度以降の二次募集では不合格者は原則として出していません。
「定員内不合格」を出さない愛知県の二次募集では、得点によるもの、いわゆる足切りによる不合格はありません。
ところが公立高校の一般選抜では以下の理由で不合格になります。
- 入試の結果が合格基準点に達していない場合
- 面接や書類審査で不適切な行動や態度が見られた場合
合格基準点がある一般選抜より、原則として定員内不合格を出さない二次募集を受けた方が確実に高校に合格できるよね。
その通りなんだけど、行きたい高校で二次募集があるとは限らないよ…。
二次募集でも不合格になる理由
足切りによる不合格はなくても、以下のような理由があれば不合格になる可能性はあります。
- 入試で不正をした人
- 補導歴がある人
- 配慮が必要な人で高校側に設備がなく、それでも受験した人
一般選抜と同じで、面接や書類審査で不適切な行動や態度が見られた人も不合格になる可能性はあります。
二次募集は答案用紙に名前を書けば合格できる?
足切りによる不合格はないと書いたので、試験を受ければ合格、名前を書けば大丈夫と勘違いする人も中にはいるかもしれません。
内申がオール1でも二次募集しているるオール3の高校に合格できるってことだよね。
そうなんだけど…、入学してから授業について行ける見込みがある高校を受けるように中学側から指導が入るはずだよ。
中学の先生方は「受ければ合格できるから」という理由で、どこでも好きな高校を受けさせるような無責任な進路指導はしないはずです。
理由は、高校は義務教育ではないからです。
授業についていけない生徒は落ちこぼれて留年、下手すると退学になることもあるので、二次募集の願書を出す前に中学の先生方と保護者と受験生本人の話し合いの場が設けられるはずです。
最後に
私の友達のお子さんは2018年に公立高校の二次募集を受けたのですが、3教科中2教科で1桁の点数を取ったことで不合格になりました。
不合格になった後、私立の通信制高校に進学しました。
友達から落ちた話を聞いていたので、二次募集でも不合格になると書いて来ましたが、ここ数年で愛知県では「定員内不合格」を原則として出さなくなったと聞いて改めて調べて記事にしました。
過去の記事は全て修正しましたが、それでも「不合格者を出さないと言うのは本当かな…?」と疑っています。
私は定員内不合格そのものを必ずしも悪とは考えていません。
なぜなら、娘と息子それぞれの高校の同級生が、入学して1カ月経たないうちに「授業について行けない」という理由で中退してしまったからです。
高校は入学した後が大事なんだよね。
結局残っていくのは「本物」だけです
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