大学3年生の娘と高校3年生の息子がいます。
愛知県の公立高校を受ける予定の受験生で「内申が低いけどどこまで当日点で戦えるのかな?」と気になっている方はいますよね。
約3年前のうちの息子の話ですが…
受験した高校の平均内申より6足りない状態で合格することが出来ました。
塾の先生全員に驚かれたよ!
息子の話を書くと「平均内申より6までなら足りなくても挑戦できるってこと?」と思われるかもしれませんが…内申が足りないというだけで発生するリスクはとても大きいです。
息子はリスクが大きいことを承知した上で受験しました。
模試の偏差値がしっかり取れているから、内申が足りなくても挑戦しよう!と決めた受験生は、願書を出す前に知っておいて欲しいことがあります。
今回は、内申が足りない高校を受験することで感じたリスクについてまとめます。
愛知県の公立高校の合否判定の出し方
令和5(2023)年度の入試から、受検者の合格判定方法は3通りから5通りに変更になりました。
※愛知県の当日点は110点(5教科×22点)です。
Ⅰ型 | 内申点(45点×2倍)+当日点(110点) | 均等型 |
Ⅱ型 | 内申点(45点×2倍×1.5倍)+当日点(110点) | 内申重視型 |
Ⅲ型 | 内申点(45点×2倍)+当日点(110点×1.5) | 実力重視型 |
Ⅳ型 | 内申点(45点×2倍×2倍)+当日点(110点) | 内申超重視型 |
Ⅴ型 | 内申点(45点×2倍)+当日点(110点×2倍) | 実力超重視型 |
合否判定はA判定合格とB判定合格があります!
内申が足りなくても当日点で挽回すればいいんでしょ!
内申を甘く見たら駄目だよ!
ここからは内申の大切さについて説明します。
まず最初に愛知県の公立高校の合否判定は、A判定合格とB判定合格があります。
A判定合格者→B判定合格者の順番で合否が決まるのですが、A判定合格するためには内申が必要となります。
A判定合格とは
塾の先生から聞いたA判定合格者の出し方です。
<定員300名の高校> ※分かりやすくするための仮の人数です。
- 推薦合格者 40名
- 一般合格者 260名
一般合格者260名のうちの約6割(156人相当)をA判定合格者として先に決め、
残りの104人をB判定合格者として後から決めます。
「当日点のみの順位が156人以内」かつ「内申のみの順位が156人以内」の生徒
これは受験生に意外と知られていない事実なのですが…
A判定合格(内申、当日点ともに募集定員内)の生徒は、たとえボーダーに達していなくても合格することができます!
自分より合計得点が低かった人が合格したって聞いたことがあるけど、そういうしくみなんだね。
そしてB判定から各高校があらかじめ選択したⅠ型~Ⅴ型いずれかの比率が適用されます。
この判定方法から分かるように、A判定合格をもらうには、公立高校の受験において内申を受験校の平均以上取っておくことはとても大切です。
今年度からⅣ型・Ⅴ型が追加されたのですが、A判定合格をもらえる実力がある生徒さんにこの方式は関係ありません。
内申も当日点も志望校の平均点が取れるのが理想の受験生なのです。
ところで息子が受験した○○高校は、平均内申が33、平均当日点が70点でした。
○○高校を受験した生徒は、内申33あって、当日点70点取れていれば、A判定合格できますが、内申27だった息子は当日点70点取れたとしてもB判定に回されました。
B判定合格とは
平均内申33の○○高校を内申27で受験した息子は、A判定合格することは最初から不可能でした。
息子は担任の先生と塾の先生の両方から「今まで受験した生徒の最低内申だ」と言われていました。
息子の受験した高校はⅢ型の当日点重視型(内申×2+当日点×1.5で合否判定)だったので、平均内申33ある生徒と比べるとマイナス12点のハンデがある状態からスタートしました。
これは塾の先生から言われた、愛知県の公立高校を受験する生徒の平均的な実力です。
- 内申27の生徒の偏差値は45、当日点55点取れるくらいの実力
- 内申33の生徒の偏差値は55、当日点70点取れるくらいの実力
- 内申36の生徒の偏差値は55、当日点80点取れるくらいの実力
塾の先生から最低でも当日点80点取らないと合格できないって言われたよ。
内申27息子が偏差値55の高校に合格するためには、学力偏差値が60必要だと言われました。
制度上では公立高校で内申による足きりはないはずなのですが…合格者の平均内申より大きく下回っていたらかなり当日点を上げなければ合格はできません。
塾の先生からは息子の内申で合格できる子は年に1人いるかいないかのレベル(要するに受験しても合格することは不可能)だとはっきり言われていたので、大きく下回っていることは分かりました。
ボーダーラインに達していなくても合格できる理由
ボーダーラインに関する記事はこちらに書きました。
【愛知県の公立高校入試】ボーダーラインと合格最低点の違いとは?
こちらの記事にも書いてあるのですが、
受験が終わったあとに友達と一緒に自己採点をして、自分より内申が高いけど当日点が取れていなかった友達がなぜか合格していたという話は何度も聞いたことがあります。
自己採点をミスしていたのかな?とずっと思っていたのですが実際は違いました!
合計点数が足りなくてなぜ合格できたのか?
内申、当日点ともにA判定の定員内に入っている生徒は、たとえボーダーに達していなくても合格することができます。
A判定合格でぎりぎり合格できた人は、B判定の式で計算すると不合格となる場合があるんだよ。
え?どうゆうこと?
説明だけでは分かり辛いので、実際の内申と当日点で説明しますね。
息子が受験した高校はⅢ型で、塾から言われていたボーダーラインは170点でした。
※当日点は全員自己採点(記述問題は0点で計算しています)
- 息子 内申27 当日点82 ⇒ 合計177点 合格(B判定合格)
- 中学の友達 内申33 当日点64 ⇒ 合計162点 合格(A判定合格)
- 塾の友達 内申29 当日点70 ⇒ 合計163点 不合格(B判定不合格)
塾の先生から息子が受験した公立高校のボーダーラインは170点と言われていましたが、実際はもっと低い点数でも合格者は出ていました。
※高校に入学後にクラスメイトに当日点を聞いたところ、170点以下で合格している生徒は何人もいました。
ボーダーラインは、あくまで”推測”だからね。
ボーダーラインとは、塾などが塾生でその高校を受けた人の内申や当日点(本人自己申告)、塾の先生が入試問題を見て、例年と難易度を比較した上で「このくらいがボーダーだろう」と推測して出すものなので、特に中堅校では10点ぐらいの誤差は出ることもあります。
息子・クラスメイト・中学の友達の合計点と合否から考えると、B判定のボーダーラインは163点となりました。
B判定で合計点163点前後の生徒たちが、調査書内容等も含めて総合的に合否の判断をされたのかな?と息子と話しました。
受験生は試験当日の点数結果を知る権利があります
開示請求では入試の合計得点を教えてもらえるのですが、ひとつ注意点があります。
それはB判定の場合、調査書の「学習の記録」「総合的な学習の時間の記録」「特別活動の記録」「特別活動以外の諸活動の記録及び特技」「行動の記録」「その他の特記事項」が重視されること、
生徒会委員・スポーツや芸術等での受賞歴が加味されることもあると言うことです。
合否の匙加減部分がどこにどの程度あるかは高校によって違います。
同じ点数で合否が分かれた場合、一体何が原因だったのか分からないから「合計点数」が全てではないってことだね。
不合格になってもいいから受験したかった息子
息子は第一志望校にしていた私立高校に不合格になりました。
愛知県では私立高校を3校まで受験することができます。
なので1校だけチャレンジ受験させたのですが、予想していた通りの不合格でした。
「不合格になってもいいから受験したい」
「受験しなかったことを後悔したくない」
お子さんからそう頼まれた方もいると思います。
ただ、中学3年生にとっての高校受験は、人生で一番大きな試験なので、どれだけ覚悟ができていても「不合格通知」を見たときのショックはかなり大きいです。
息子も「やっぱり不合格だったか」と笑っていましたが、夜布団の中で「悔しい…」と言って泣いていました。
その姿を見て受験させたことを後悔しました。
幸い息子はすぐに公立高校の受験に気持ちを切り替えたのですが、不合格になったことをいつまでも引きずってしまう性格ならチャレンジ受験することはおすすめできません。
私立高校に不合格になったあと、公立高校の志望校を担任の先生に伝えたところ「公立高校まで不合格になるのは可哀想なので、もうひとつレベルを落としてください」と言われました。
私立高校3校中2校合格していても、担任の先生からこのように言われたのでチャレンジ受験させるのはそれなりの覚悟が必要です。
最後に
ほとんどの受験生は「内申が足りている」「学力検査も合格ラインに入っている」この2つができている状態で入試に挑んでいます。
そのような「余裕のある人」が多くいる中で試験を受けるのですから…内申が足りない状態で挑むのはかなりのプレッシャーとなります。
息子が合格できたのは、入試の問題との相性がよくて英語で満点近く取れていたことが大きかったのですが、運も味方をしてくれたんだと思っています。
「自分の実力相応の高校を受験すること」が一番理想です。
私は息子に100回くらいしつこく公立高校の合否の判定の説明をしました。
ボーダーラインに乗ったときは内申が低いという理由だけで落とされる可能性があることも伝えました。
それでも息子の「受験する意思」は固かったので受けさせることに決めました。
息子が私立高校に不合格になっているので「受検は合否が全てではない」なんて言えません。
どんなにキレイごとを言ったところで不合格になったという事実は変わらないのです。
ただこの記事を読んで、内申が低いことが大きなリスクになると分かった上でも「挑戦したい」とお子さんが言って、勉強も頑張っているのなら応援してあげて欲しいな…と思います。
息子が受験前の最後の追い込みで頼ったのは「スタディサプリ」でした。
冬休みから数学、理科、社会は全ての単元を3回通り視聴して総復習していました。
塾との相性が悪かった内申27の息子が当日80点以上取れたのは、間違いなくスタディサプリのお陰です。
今なら2週間無料のお試しで使うことができるので、気になる方は冬休み中に使ってみてくださいね。