先日、今年度に公立高校の推薦入試を受けるお子さんをお持ちのママさんから、
「推薦は調査書の内容で合否が決まっているから、面接は形だけって聞いたけど本当?」と質問されました。
結論から書きますと、調査書の内容だけで合否は決まりません。
面接の内容も合否に関係しています。
「推薦の面接がしっかり見られている」と言い切れる理由について、娘の公立高校の推薦入試の体験をもとにまとめます。
推薦入試を受ける受験生の参考になれば幸いです。
推薦の面接の内容がどのくらい合否に影響するのか?
娘の中学から3人の生徒が同じ高校の推薦入試を受けました。
- 娘 「バレー部のキャプテン」 受ける高校の受験者平均内申よりプラス3
- Aちゃん 「絵画展入賞歴あり」 受ける高校の受験者平均内申よりプラス6
- Bくん 「野球部のキャプテン」 受ける高校の受験者平均内申よりプラス2
※娘とBくんは、運動部でしたが弱小部だったので県大会出場経験などはありません。
※Aちゃんは絵画展に何度か入賞していて、県代表として作品が海外の美術展に出されたこともありました。
Aちゃんは中学の集会でよく表彰されていたよ。
Aちゃんは「もう2ランクくらい上の高校を狙えるよ」と塾の先生から言われていたほど内申が高く、この3人の中では間違いなく調査書の内容は一番高評価でした。
調査書の内容だけならAちゃんだけが合格して、娘とBくんは不合格でもおかしくありませんでした。
ところが推薦入試の結果はAちゃんだけが不合格になりました。
推薦で余裕で合格できる自信があったAちゃんは、合格証書に書いてある「一般合格」の文字を読んですごく驚いていたそうです。
※推薦で合格した場合「推薦合格」と書かれます。
推薦入試で落ちた生徒は、一般入試で合否が判断されます。
Aちゃんが不合格になった理由
中学の面接指導では、高校に入った時点で私語は一切禁止と言われていました。
なのにAちゃんは控室で友達を作り楽しそうにお喋りをして盛り上がっていたそうです。
そして面接でも緊張し過ぎて、面接官の質問と関係ない内容を早口で延々と話し続けてしまったとのことで、先生方から「もういいですよ」と止められちゃった…と落ち込んでいました。
緊張し過ぎて何を話したか全く覚えていないって言ってたよ。
高校の控室で静かに過ごし、落ち着いて面接官の質問に答えることができたなら、Aちゃんは間違いなく合格していたと思います。
控室でAちゃんと話をしていた子も推薦で不合格になっていたことが入学後に分かりました。
高校に着いた時点で、「面接以外の時間」も先生方に見られていることを意識して過ごしましょう。
推薦で合格した友達の特徴
娘は推薦で合格することができました。
高校で入った部活ではメンバー9人中7人が推薦入試を受けて入学していました。
クラスで仲良くなった友達3人も推薦入学だったよ。
部活のメンバー7人とクラスメイト3人の合計10人が推薦で入学していたのですが、共通していた特徴は「自己アピールが上手」「ハキハキと受け答えができる」ことでした。
10人全員が娘より内申が高かったです。
中学から推薦をもらえる生徒は、何かしら他の生徒より飛び抜けて自己アピールできる「武器」を持っています。
- 県大会以上の大会の出場経験
- 県の絵画展の入賞歴
自分の持っている武器について「私が1番凄いんです!」と自信満々でアピールできる生徒が推薦で合格しています。
偏差値の高い進学校になるほど、中学の内申に殆ど差が出ないので、部活の成績や賞などで合否が左右されることが多いです。
地区大会で敗戦している部活のキャプテンで、もの凄く内申が高いわけではない娘は、そのような「武器」は持っていませんでした。
ただ、面接官の先生方が笑顔で接してくれたので、あまり緊張せずハキハキと笑顔で質問に受け答えできたのが合格できた理由かもしれません。
面接官の運が良かったよ。
娘が面接官に聞かれた内容は?
娘が面接官から質問されたのは以下の5つです。(最初の質問は全員聞かれていました)
- 受験番号と氏名
- この高校を選んだ理由
- 中学校で頑張ってきたこと
- あなたの長所
- 好きな教科・苦手な教科
中学で頑張ってきたことは「バレー部のキャプテンを頑張った話」をした娘でしたが、
面接官に「高校入学後はバレー部に入りますか?」と聞かれ、「他の部も興味があるので見学をしてから決めます」と答えたそうです。
「嘘でもバレー部に入りますって言っておくべきだったよね…」と後から落ち込んでいましたが、無事に合格できたので、面接官に対して自分の意見をはっきり伝えることがが大事です。
野球部の副キャプテンだったBくんも「野球部に入りますか?」の質問に「運動部に入るつもりでいますが野球部に入るかはまだ決めていません」と答えて合格していました。
面接官に聞かれる内容は全員同じではありません
同じ高校の推薦入試なら、面接で聞かれる内容は全員同じかな?と思っていましたが、娘が推薦入試を受けた10人にリサーチしたところ、それぞれ微妙に聞かれた内容が異なっていました。
娘は長所だけ聞かれたのですが、長所と短所両方聞かれた友達がいましたし、娘の中学から一緒に推薦を受けたBくん(野球部の副キャプテン)は、「中学校で頑張って来たことは何ですか?部活以外で答えてね」と言われて慌てたそうです。
部活以外って言われたら困るよ!
質問の数も「受験番号と氏名」以外は、4つだったり5つだったりバラバラでした。
ときどき、質問の数や内容が他の受験者と違っていたと心配する人がいますが、同じ高校でも面接官が違えば質問の数や内容は少しづつ違うので、心配しなくても大丈夫です。
推薦入試を受けるメリット
公立高校の推薦入試は倍率が高い高校なら「 落ちて当たり前、受かればラッキー」ぐらいに考えておきましょう。
娘は「1回多くチャンスをもらえる」のが推薦入試を受ける最大のメリットだと言っていました。
推薦を受けれることは凄いこと?
公立高校の推薦入試を受けるためには、先ずは中学の校内推薦に通らなければなりません。
中学側はどうでも良い生徒を高校に推薦しないので、ここに通るのが実はかなり大変です。
「中学の校内推薦で他の受験生たちを押しのけて推薦をもらった」
推薦入試ではそんな凄い生徒たちと戦うわけですから、合格するのも大変です
飛び抜けた「武器」を持っている生徒たちに勝たなければならない推薦入試より、合格ラインさえ超えることができれば確実に合格することができる一般入試の方が、実は簡単なのかもしれません。
推薦で落ちた生徒の9割が一般で合格していたよ。
最後に
公立高校の推薦入試は、どういう人が受かるのか?詳細は全く分かりません。
公立高校の推薦の合否判定基準は高校側に任せられていますし、その基準も公表されていないからです。
- ピアノコンクールに入賞経験がある人が、音楽科の推薦を受ける
- サッカーの実績を持っている人が、サッカー部に力を入れている高校を受ける
- その学校を受ける中でトップレベルに内申が高い
このような生徒なら、調査書の内容である程度決まるかもしれませんが、
推薦合格に達するか、達しないか、そのギリギリのラインに立っている人にとって面接の内容は大きく関係します。
実績と内申がほぼ同じだったら面接で落ちるか、受かるかが決まります。
調査書の内容だけで合否が決まるのは、ほんの一握りの人だけです。
ほぼ決まっていたとしても、Aちゃんのように減点されて落とされることがあります。
面接当日は緊張し過ぎないように、深呼吸してリラックスしてね。