大学3年生の娘と高校3年生の息子がいます。
娘が高校生の頃の話なのですが、
高校2年生から3年生に上がるタイミングで「高校を中退」した友達(Aちゃん)がいました。
新学期になって、どのクラスの名簿にもAちゃんの名前が載っていなくて…そこで初めて高校を辞めたことに気づいたの。
Aちゃんの性格をよく知っていた娘は「誰にも伝えずに辞めたのは何か理由があったんだろうね」と寂しそうに言っていました。
娘は辞めることを教えてくれなかった悲しさよりも、「今どうしてるんだろう?」という心配の方が上回っていた様子でしたが、受験生となり勉強に必死な毎日だったこともあり、Aちゃんのことは自然と忘れて行きました。
それから4年後の春、娘が大学でランチを食べているところ名前を呼ばれたのでパッと振り向くと、そこには満面の笑顔のAちゃんが立っていました。
娘とAちゃんは、なんと同じ大学に通っていました!
手を取り合って再会を喜んで、早速次の日にAちゃんの家に泊まらせてもらったのですが、Aちゃんのお母さんは娘の姿を見て涙ぐんでいたそうです。
今回Aちゃんから「高校を辞めた理由」「辞めてからの生活」の話を聞いて、たった今悩んでいる子の助けになるかもしれないな、と思いました。
Aちゃんに記事にしても良いか聞いたところ、快く了解してくれたのでまとめます。
「高校を辞めたいけどその後どうしたらいいんだろう?」と考え、悩んでいる方の参考になれば幸いです。
Aちゃんが高校を辞めた理由
Aちゃんが高校を辞めた理由は2つありました。
✦高校の勉強について行けなくなったこと
(2年生で理系の単位をいくつか落として仮進級になっていたそうです)
✦クラスの女の子たちとの関係が悪かったこと
(娘は文系だったので別のクラスでした)
理系(生物選択)は女子の人数が一桁と少なかったので、3年生になってもクラス替えはありませんでした。
勉強と人間関係の両方から精神的に追い詰められたことで、夜どんなにしっかり寝ても授業中寝てしまう症状が出てしまい、Aちゃんはますます勉強分からなくなって行きました。
先生に何度注意されても、そのまま寝てしまうくらい毎日眠かったんだって!
※日中の眠気は高校を辞めた途端に治ったそうです。
Aちゃんの場合は眠気でしたが、症状の出方は個人差があります。
高校を辞めてからの生活
Aちゃんは大学に進学することを希望していたので2つの選択肢で悩みました。
- 通信制高校で高卒資格を取って大学の入試を受ける
- 高卒認定試験を受けて大学の入試を受ける
両親は「通信制高校の通学コースに通ったら?」と言っていたのですが、人間関係に自信を無くしていたのと、また日中眠くなるのが不安だったとのことで…
散々悩んだ結果、Aちゃんは高卒認定試験を受けて大学入試を受けることに決めたそうです。
通信制高校に通うための勉強より、大学進学のための予備校に通いたかったんだって。
※通新制高校には年に数回の通学で済むコースもあります。
今は驚くほど多くのコースが常設されているので、ぜひパンフレットを取り寄せてみてくださいね。
大学に進学するために受けた試験
Aちゃんが大学に進学するために受けた試験は下の2つです。
高卒認定試験
私の学生時代は「大検」と呼んでいましたが、今は「高卒認定試験」に名前が変わりました。
詳しくは、文部科学省の公式サイトでご確認ください。
たった今(2023年)に高卒認定試験を受けたいと考えている方は、第一回の応募締め切りが5月8日(消印有効)となっていますので、急いで応募してください。
願書は取り寄せと指定の場所に貰いに行く2つの方法があるよ!
「大検」は全日制高校に在学中の生徒は受験することができませんでしたが、「高卒認定試験」に名称が変わってから、全日制高校に在学していても受験が可能になりました。
高校に在学しているけど出席日数が不安に感じていたり、何らかの理由で通学が困難になっている生徒さんは、保険をかけるつもりで「高卒認定試験」を受けて合格しておくことで、もし高校を中退することになっても、18になる歳に大学受験することができます。
※大学以外にも専門学校や採用試験、国家資格など受けることも可能です。
(詳細は文部省の公式サイトに載っています)
高校を辞めて学歴が中卒だとしても、高卒認定試験に合格すれば、高卒者と同等の立場として大学受験に申し込みができるのは助かりますよね。
Aちゃんは2年生いっぱいまで高校に通っていたので、高卒認定試験はほとんどが免除科目となり、2科目受けるだけで済んだそうです。
※1年間だけでも高校に通っていた方は、免除科目があると思います。
高校で単位取得証明書を発行してもらい確認してください。
英検2級
もともと英語が得意だったAちゃんは、大学入試で加点要素となることが多い「英検2級」の検定を6月に受けました。
高校に通う時間がなくなり、1日中英語の勉強だけに集中することができたので、1度で合格することができました!
10月に受けた英検準1級は不合格になったけど、英語の実力はしっかり身についたから勉強して良かったって!
Aちゃんは完全に独学で英検2級を受けて合格しました。
使っていた参考書はコチラの2冊です。
ターゲット派とシスタン派に分かれますが、うちの娘と息子もシスタン派です。
本屋で中身を見て、こちらの参考書を購入したそうです。
あとは過去問をひたすら解いていたそうです!
大学に進学が決まってから
無事に志望していた大学に合格することができ、親子で泣いて喜んだのですが…
4月のガイダンス(初顔合わせの日)突然大学に行くのが怖くなり、うずくまって動けなくなってしまったので、母親が車で大学まで送ってくれたそうです。
高校の友達関係の思い出がフラッシュバックして突然怖くなったんだって。
母親が送ってくれたお陰でガイダンスにはどうにか出席して、その日は誰とも話すことは無かったけど、その後話ができる友達が少しづつ増え、1年後には仲の良い友達ができました。
ある日思い切ってサークルの仲間に高校を辞めた話をしたところ、友達はみんな「気にすることない」と笑い飛ばしてくれたので、完全に吹っ切ることができたそうです。
今では笑い話にしてるって!
最後に
Aちゃんの高校時代の話を聞いて、理系科目の授業について行けなくなり、常に赤点を取り続ける辛さを知りました。
高校在学中に「文転」する話も出ていたのですが、文系クラスに入ってもう一度最初からがんばる気力が湧かなかったそうです。
母親は常にAちゃんの味方になってくれて、笑顔で応援してくれたのですが、夜こっそり泣いている姿を見たときは辛かったと言ってました。
Aちゃんは「眠いだけだから」と、親に勧められても病院には行かなかったそうですが、調べてみたところ『うつ病から来る過眠症』の症状に近いな…と思いました。
※私は医者ではないのと、Aちゃんは病院で診断されていないので本当の病名は分かりません。
この記事を読んでいる人の中に、Aちゃんのように、身体に何らかの異変が起きている人もいるかもしれません。
担任の先生、信頼できる先生、親、友達など相談しても変わらないのなら、高校を休学したり、中退して通信制高校に入り直したり、Aちゃんのように高卒認定試験を受けて大学進学したりと、全日制高校に通う以外にも道はいくつもあります。
お金をかけられなかったら、公立の定時制高校や通信制高校もありますので、先ずは入学できる時期から調べてみてくださいね。
公立の通信制高校なら年間35,000円くらいで通えるので、バイト代から支払うこともできますよ!