当時中学2年生だった娘から「ボーダーラインって合格者と不合格者の境界線ってことだよね。合格最低点とボーダーラインは同じ意味なの?」と質問されました。
先輩から、ボーダーラインより低かったけど合格できたって聞いたから疑問に思ったの。
娘のように、ボーダーライン=合格最低点だと勘違いしている受験生は多いのではないでしょうか?
息子からも同じ質問をされました。
今回は、ボーダーラインと合格最低点の違いについて詳しくまとめます。
ボーダーラインの突破を目指している受験生の参考になれば幸いです。
ボーダーラインと合格最低点の違い
ボーダーラインとは?
ボーダーラインは、塾や予備校が「塾生の自己採点基準」から出している、合格確率が半分半分のラインです。
塾や予備校は県内すべての受験生のデータを持っているわけではありません。
ボーダーラインとして出されている点数はあくまで「目安」とした上で確認してください。
その年の倍率、受験生のレベルでもボーダーラインは変わるよ。
愛知県教育委員会から公式なボーダーラインを出されたことはありません。
なので、ボーダーラインではなく「ボーダー予想」が正解です。
とは言え、受験生側としてはおおよその点数が分からず「結果が出てみないとわからない」では困りますよね!
過去の合格者の成績などをもとに追跡調査をした資料の結果をもとにして「この学校のボーダーは大体○○点」と塾から予想してもらえるのはとても助かります。
過去のデーターなどをもとにしている予想だからある程度の正確さはあるよ。
過去問をどれだけ得点できるかの目標にするためにもボーダーラインは必要だよね。
合格最低点とは
合格最低点はその年の合格者の一番低い点数のことを言います。
合格最低点は入試が終わった受験生が一番知りたい情報だよね。
教育委員会で各高校の最低点を発表してくれないかなぁ。
傾斜のかけ方や計算式が高校によって違うから、最低点の公表はできないって塾の先生から聞いたよ。
ボーダーラインの出し方
塾や予備校が出している「ボーダーライン(ボーダー予想)」は、合格者発表が終わったあと、合格者の内申・当日点のデータを集めて出されています。
ほとんどの合格者の当日点は自己採点で出されています。
娘と息子は、模試の自己採点と実際の点数が常に数点違っていたので、中学生の自己採点の結果をもとにボーダーラインを出している時点で「100%合っている点数ではないな」と思います。
高校時代の模試の自己採点も、クラスで1人しか実際の点数と合ってないことがあったよ。
本当のボーダーラインを知っているのは、入試の採点をしている高校の先生だけだね。
ボーダーラインを疑ってしまう理由
合格した高校の入試の点数の開示請求を行った息子の友達が2人います。
(2人は別の高校を受験しました)
友達が開示請求した理由は?
自己採点がボーダーラインより大きく下回っていたのに合格できたから、本当の点数を知りたくなったんだって!
開示請求をした結果、自己採点はほぼ合っていて、2人とも大手塾で出されている追跡調査の合格最低点より下回っている点数で合格できていたことが分かりました。
自己採点のため記述は省いている人もいるから最低点付近はどうしても微妙になるよね。
友達が受けた高校で、その年だけ倍率や受験者のレベルが下がったことで、たまたまボーダーラインも下がった年だったのかもしれません。
それでも「そんなに低い点数で合格できたの?」と息子が驚いていたほどの点数でした。
掲示板などにときどき書かれている「極端に点数が低い合格者」も高校によっては本当にいるのかもしれないね。
ボーダーラインについてのよくある質問
ボーダーラインよりどのくらい上回ってれば安心?
私はボーダーラインよりプラス10点は取れていないと安心できません。
なぜプラス10点も取る必要があるのかですが、娘の通っていた高校ですが、大手進学塾が出していたボーダーラインより突然10点上がった年があったからです。
このように、ボーダーラインはその年の倍率や受験生のレベルで大きく上下することもあります。
娘が通っていた高校は偏差値60くらいでしたが、この辺りの偏差値帯の高校は特にボーダーラインが上下しやすい印象があります。
トップ校はオール5で満点近い子が入るから上下しても数点の違いだけどね。
本当に安心したいなら、レベルが1つ上の高校のボーダーラインを超えているかどうかを目安にするといいって塾の先生から言われたよ。
ボーダーライン上にいても、不合格になることはある?
大手予備校の「ボーダー予想」ですが、最近はどこも一般向けには公開していません。
一般公開して予想と外れると苦情が来るのかもね。
ボーダーラインは予備校や塾が出している「目安」なので、ボーダーラインを超えていても不合格になる人もいれば、合格する人もいます。
塾が出しているボーダーラインをいくつか見比べると、数点の差が出ていることがありますが、その場合は点数が高い方を「目安」にしてください。
娘の高校受験のとき、低いボーダーラインを目安にした友達が全員不合格になりました。
低いボーダーラインを目安にしたくなる気持ちはよく分かるけどね。
ボーダーラインの合格可能性は本来なら50%のはずなのですが、塾によってはなぜか80%に設定されているところもあります。
どんなにベテランの塾の先生でも正確なボーダー予想はできません。
塾が載せている「合格判定」などは参考程度に見ておいてください。
受験生の不安を煽り、受験番号などを書き込んで合格判定を出すサイトもありますが、不特定多数の受験生が書き込んでいる場合、信ぴょう性は下がります。
「合格している確信が欲しい」という不安な気持ちはよく分かりますが、正式な合格発表を待ちましょう。
愛知県の公立高校入試の合否判定の出し方
愛知県の公立高校入試の合否判定の出し方を解説します。
「推薦合格者を除いた第1希望者+第1希望校不合格の第2希望者」の中から以下の順番で合格者が決まります。
- 「当日点のみの順位が募集人員の枠内」かつ「内申のみの順位が募集人員の枠内」の生徒が最優先で合格。
- 残りの合格者は「内申と当日点の合計点数が高い者」から順番に合格。
2の「内申と当日点の合計点数の出し方」は以下の5つのどれかを各校で指定しています。
Ⅱ {(評定得点)×1.5 }+(学力検査合計得点)
Ⅲ (評定得点)+{(学力検査合計得点)×1.5 }
Ⅳ {(評定得点)×2 }+(学力検査合計得点)
Ⅴ (評定得点)+{(学力検査合計得点)×2 }
同点でボーダーラインに並んだ場合の処置は高校の判断となります。
私は全ての受験生が「内申と当日点の合計点数」で合否の判断を出されていると勘違いしていました。
内申と当日点がどっちも平均あれば最優先で合格できるってことなんだね。
1で合格が決まらなかったメンバーの中から「学校裁量」(5つの計算式のどれか)によって再計算して合否が出されるんだね。
内申が受験者の最低ラインだった息子は、1で合格することは100%不可能なので、2の合計点数の高さでの勝負となりました。
公立高校の受験において、内申を1つでも上げるのはとても大事なことです。
同点でも合否が分かれることがあります
「自分が不合格になった高校に自分より点数が低い子が合格した」
このような話は何度も聞いたことがあります。
本人の自己採点が間違っていた可能性もありますが、上に書いた通り、入試の校内順位の決め方によっては、自分より点数が低い子が合格することもあります。
息子は当日点で勝負するために実力重視型のⅢを選んで受験したことで合格することができましたが、仮に同じ偏差値の高校に内申重視型のⅡで受けていたら、不合格になっていた可能性もあります。
※息子が受験時はⅠ~Ⅲの方式しかありませんでした。
自分に合った受験方式の高校を志望校に選ぶのは大事だよ。
最後に
娘と息子は入試が終わったあと、塾で自己採点をしただけで開示請求はしなかったので、合格できたものの本当は何点取れていたのか分かりません。
開示請求をしたとしても学力検査の得点を教えてもらえるだけですし、同点でも合格・不合格が出ている可能性があるのでボーダーラインは謎のままです。
受験生がボーダーラインが気になって仕方がない気持ちは痛いほど分かります。
私もあらゆるサイトでボーダーラインを調べて、一喜一憂していました。
内申が足りていなかった息子は、自己採点通りの当日点が取れているかに合否がかかっていたので、合格発表の前日は緊張して一睡もできませんでした。
繰り返し書きますが、
大手塾や予備校が発表したボーダーラインと実際の合否ラインは別物です。
塾の先生方は毎日受験生と接している勉強を教えるプロですが、県内すべての受験生のデータを持っているわけではないので、ボーダー予想を外すことはあります。
そもそも「予想」だからね。
入試が終わった受験生ができることは、自己採点をして、その点数と自分が持っている内申で「昨年なら自分は合格できたのか」を確認することだけです。
静かに発表の日を待ちましょう。