息子が高校二年生の頃の話です。
息子のクラスメイトが停学処分になったと聞いたので驚いて理由を聞いたところ、
「夏休み中に出かけた地元のお祭りで中学時代の先輩に勧められてお酒を飲んでしまい、それが高校の先生に見つかってしまった」とのことでした。
クラスメイトはSNSで飲酒している写真を投稿したことで先生にバレてしまったとのことで、夏休み明けの始業式の日に高校の指導室に呼ばれ、そのまま一週間の停学処分となりました。
高校の先生はSNSをチェックしているので、高校名など書いて投稿したら即バレてしまいます。
部活の連絡で顧問の先生とSNSで繋がってるから変なことは書けないよ!
お祭りで初めて飲んだお酒は日本酒で、全然美味しくなかった上に停学処分となり、両親から叱られて彼女さんにも泣かれて「もう散々だよ…」と落ち込んでいたそうです。
停学中は毎日、反省文のレポート用紙を20枚提出するんだって!
普段真面目なクラスメイトだったので「魔が差す」とはこのことか…と息子の話を聞きながら思いました。
そして、娘が通っていた高校で謹慎処分になった生徒がいたことを思い出しました。
学校内で殴り合いのケンカをした男子2人が3日間の謹慎になってたよ。
ケンカでも謹慎処分になるんだね。
停学、謹慎と一体どのような違いがあるのか?
高等学校の処罰の基準も気になったので、調べてみることにしました。
タイトルの「停学処分になっても大学に進学することはできるのか?」ですが、もちろんできます!ご安心ください!
ただ制約はついてしまう場合があるので、そのことも含めて詳しく下にまとめますね。
停学処分になる理由
停学(謹慎)と退学のガイドライン、有期と無期のガイドラインは高校によって異なりますが、一般的に言われている停学処分になる理由は以下の通りです。
- 喫煙(喫煙同席を含む)
- 飲酒(飲酒同席を含む)
- 器物損壊
- いじめ・ケンカ・金銭強要・威圧など
- 無断欠席(無断外泊からの無断欠席など)
- 無免許運転
- 規律で認められていないのに免許を取る
- 窃盗や万引き
- 恐喝
- 痴漢及び盗撮など
- 不純異性交遊(妊娠など含む)
- 出会い系サイトの利用
- 深夜徘徊からの補導
- パチンコなどのギャンブル
男女とも、停学になる理由のトップは喫煙とのことです。
停学処分になるほどではありませんが、一般的に厳重注意になる理由は以下の通りです。
- 規則違反の服装、髪型
- 無許可のバイト
- カンニング
先輩は無許可のバイトがバレて、三者懇談の日に親の前で厳重注意を受けたって言ってたよ。
厳重注意も、繰り返し受けると謹慎などの処分になってしまうことがあるので注意が必要です。
生徒手帳の生徒心得に書かれていること
娘の通っていた高校の生徒手帳の「生徒心得」に書かれていた内容を抜粋しました。
- 真摯な態度で考査に臨み、不正行為はもとより、誤解を招くようなことをしてはならない
- 正当な理由がない場合、欠席・遅刻・早退・欠課・外出をしてはならない
- 必要な場合以外の夜間外出はしない
- 無断外泊及び友人等の家での宿泊はしない
- 高校生にふさわしくない場所及び法律で入場を禁止されている場所への出入りをしない
- 在学中は原付自転車・自動二輪車・自動車の運転免許証を取得することを禁止する
- 特別の場合を除き、アルバイトは禁止する
- 飲酒・喫煙・覚せい剤・薬物等の乱用・暴力行為・いじめ等の触法行為・違法行為は全て禁止とする
他には選挙活動や政治的活動についての制限、禁止などが書かれていました。
もちろん「生徒手帳で禁止と書かれていなければ何をやってもいい」というわけではありません。
全ての禁止事項を書いていたら電話帳みたいな厚さの生徒手帳になっちゃうからね!
停学の日数等の処分の基準は生徒手帳には書かれていません。
「喫煙」ひとつとっても、生徒の日常生活の様子や、情状酌量の余地があるかどうかによって処分の日数は変わります。
停学などの処分を下すことができるのは法的には校長だけなので、外部に公表するような基準は存在しないことになっています。
停学と無期停学の違い
学校教育法に定める懲戒処分には、「退学」「停学」及び「訓告」の3つだけが規定されていますが、調べてみたところ、それ以外には「訓戒」「謹慎」がありました。
それぞれの内容について詳しく調べてみました。
処分が軽い順番から書きますね!
訓戒
訓戒というのは処罰ではなく、指導の一種です。
あくまでも、特別な指導に過ぎませんので調査書などの記録には残りません。
校長訓戒を受けた生徒に 罰当番や早朝登校、居残り、学習課題 反省文や、日記指導などをさせることは 文科省が認めています。
謹慎
謹慎は正式な処分ではなく、学校側の「生活指導上の措置」です。
したがって教育委員会への報告の必要はなく、謹慎期間中は欠席扱いとなります。
調査書などの記録には「自己都合による欠席」のようにしか残らないので、一般的には分からないので受験などで不利になることはありません。
謹慎の実施の期間は、学校長の裁量で決まります。
訓告
訓告は「学校教育法施行規則」で定められた法的効果を伴う懲戒処分です。
- 指導要録(法定の公式記録)の賞罰欄には必ず記録されます。
- 学校が受験時や就職時に作成する調査書には必ず記載されます。
公立高校なら教育委員会へ報告しなければなりません。
訓告をすごく軽い処分と考えている方もいますが、訓告は懲戒ですので調査書に記載されます。
停学と違うのは出席停止を伴うか(停学)、伴わないか(訓告)です。
停学
停学は「学校教育法施行規則」に定められた法的効果を伴う懲戒処分です。
- 指導要録(法定の公式記録)の賞罰欄には必ず記録されます。
- 学校が受験時や就職時に作成する調査書には必ず記載されます。
公立高校なら教育委員会へ報告しなければなりません。
調査書などの記録には出席停止となり、欠席にはなりませんが「出席停止の事由」の欄に「懲戒処分による停学○日」のように記録されるので、受験などいろいろと不利になります。
停学も謹慎と同じで、実施の期間は、学校長の裁量で決まります。
停学は大抵が一週間単位で実施され、反省の度合いを確かめて解除日が決められます。
最短で一週間、最長でも二週間、こじれたら三週間ぐらいが多いとのことです。
無期停学と停学の違いとは?
無期停学は停学と同じで「学校教育法施行規則」に定められた法的効果を伴う懲戒処分です。
- 指導要録(法定の公式記録)の賞罰欄には必ず記録されます。
- 学校が受験時や就職時に作成する調査書には必ず記載されます。
停学と無期停学の違いは、予め期間を定めず出席を停止する処分と言うことです。
無期停学も停学と同じで、公立高校なら教育委員会へ報告しなければなりません。
無期の場合は、停学を解除すべきか否かの会議が行われた上で、出席停止処分の解除が行われますので、その会議で「出席停止を解除すべきだ」と決定されない限りはいつまでも停学のままです。
退学処分になるのは…
退学には「自主退学」と「強制退学」があります。
退学勧告を受けた場合
自主退学 …自分の意志で学校を辞めること
強制退学… 担任や校長が話し合い 生徒に退学処分を言い渡すこと
自主退学の場合、自分の意志でやめたと見なされますが、強制退学の場合、学校から強制的に退学させられる事情があったと判断され大抵の人間に問題児だと判断されます。
強制退学は不祥事などを起こしてやめさせられることが多いからです。
高校側から退学勧告を受けた場合、強制退学になるくらいなら…と自主退学を選ぶ生徒がほとんどです。
退学が決まるまでの手順
不祥事を起こしたからと言って、突然校長の判断だけで退学を言い渡されることはまずありません。
退学はしかるべく手順を踏んだ会議を行い、最終決定として校長が判断します。
- 本人から事情聴取、自宅待機。(別室登校の場合もあり)
- 生徒指導部会が開かれ、そこである程度の処分内容を検討。
- それをうけて職員会議にかけて決議。
- 最終決定は校長判断。
- 保護者同伴で学校に呼び出しを受けて、校長室にて処分内容 の言いわたし。
30年以上昔の話になりますが、夫の幼馴染みが繰り返し喫煙をしたことが原因で高校を退学になりました。
2回目までは担任の先生が必死でかばってくれましたが、3回目の喫煙による停学後にも反省の色が全く見られなかったとので、担任の先生がかばいきれず退学処分となりました。
その話を聞いた時、担任の先生(高校の先生)と仲良くしておくことは大事だな、と思いました。
最初に書いたお酒を飲んでしまったクラスメイトも、処分が少しでも軽くなるようにと、担任の先生と部活の顧問の先生がかなりかばってくれたそうです。
停学中の生活(2022.9.20追記です)
一週間の停学処分中の生活について息子の友達から話を聞きました!
※息子の通っている高校の場合です。
- 毎日ルーズリーフ見開き20枚分の勉強をする(反省文・単語の書き取りなど)
- 読書感想文を提出する(本は予め決められ先生から渡される)
- 午前と午後に1回ずつ進路指導の先生の訪問がある
1日12時間近く勉強しないと終わらない量の課題が出されていたとのことで、地獄の一週間だったそうです。
ただ家でボーッと過ごしているわけじゃないんだね。
私が一番可愛そうだな…と思ったのが、夏休み明けという時期の停学だったため、その友達は文化祭に参加できなかったことです。
部活(運動部)も親にやめさせられるかも…と言って落ち込んでいたそうで、十分反省しているんだからそこまでしなくても…と思いました。
停学が終わって登校した友達に対して、近づかなくなったクラスメイトもいたそうです。
息子はそんなことは全然気にしておらず、「今まで通り弁当を一緒に食べてるよ!」と言っていたのでホッとしました。
進路指導の○○先生はポルシェに乗って家まで来たって言ってたよ。
停学中の大変だったことを面白おかしく話されて、一緒にお昼を食べているメンバーでお腹を抱えて大笑いしたそうです!
停学になったあとの進路
停学処分になったら大学の推薦はもらえるのか、と気にされる方は多いですよね!
停学すると大学の推薦は貰えなくなるのか?
大学の推薦は調査書が必要となります。
停学の場合、調査書の欠席日数に追加される形となりますが、備考欄で申し送りがなされるかどうかは高校によって違います。
まず指定校推薦・公募推薦ですが、停学経験があると職員会議自体に通らず、学校長の推薦書が出ない場合が考えられます。
その場合は推薦を使って受験することは不可能となります。
校長の推薦が必要のない「AO入試」でしたら受験そのものは出来ますが、調査書にどのように書かれているかが重要となります。
※A0入試でも調査書の提出は必須です。
このように、停学になると一般的には大学受験のための高校からの「推薦」をもらうことは難しくなります。
娘の通っていた高校では…
学校によって違うので一概には言えませんが、娘の通っていた高校(かなり校則が厳しい公立高校)では停学は推薦に対して一発レッドカードでした。
停学どころか、生徒指導1回受けただけで推薦に応募する資格を完全に喪失するって先生から言われてたよ。
頭髪指導で注意されてもずっと茶髪にしていた生徒が、評定がしっかり取れていて他に応募者がいなかったにもかかわらず、本人が推薦希望を出しても高校側から推薦をもらえませんでした。
スカートの長さの指導を何度もされていた生徒も同様だったとのことです。
この辺りは高校の厳しさによって違います。
息子の通っている高校では?
息子の1学年上の先輩から聞いた話ですが、数年前に校内で喫煙しているところが見つかった高校3年生の生徒は、決まったばかりの指定校推薦が取り消されていたそうです。
情状酌量の余地なしだね。
一般入試は受けることができるのか?
一般入試では調査書を点数化する大学を除き、合否には影響しません。
一般入試なら合格最低点を超えるか超えないかで平等に判断されるからね!
何らかの処分にかかり、推薦がもらえなくなった人は一般入試で合格を目指しましょう!
最後に
最初に「息子のクラスメイトが停学処分を受けた話」を書きましたが、高校に両親が呼ばれたのですが、母親は校門に入る前から泣いていたと息子から聞きました。
クラスメイトはとても素直な子で自分からお酒を飲むようなタイプではなかったので、一時の過ちで停学になってしまったことは本当に残念でなりません。
クラスメイトと息子はクラスで一番の仲良しなので、実は息子も登校してすぐに進路指導室に呼ばれ、数人の先生に囲まれて事情聴取と持ち物検査を受けました。
不審な持ち物は何も持ってなかったのと、一緒にお祭りに行った訳ではなかったので、普段の様子を聞かれて直ぐに教室に帰されました。
※この件について、後日クラスメイトから謝罪がありましたが、息子は「全然大したことじゃないから気にするな」と伝えたそうです。
俺はいいんだけど、クラスメイトの彼女まで進路指導室に呼ばれていたのは可哀想だったなぁ。
クラスメイトは今、大学進学を目指して毎日勉強を頑張っています。
推薦をもらうことは厳しくなりましたが、一般入試なら国公立でも私立でも受験することが可能です!
この経験を乗り越えて受験勉強を頑張って、志望校の合格を勝ち取って欲しいです。
「うちの子は停学処分になるようなことはしない」私は息子のことをそう信じています。
でも、喫煙をしている友達の隣にいただけで同罪とみなされることもある、たまたま顔に押し付けられたお酒の写真がSNSに出回って先生に呼び出しされることもある。
今回そのようなことが分かったので、クラスメイトの話を他人事には出来ません。
君子危うきに近寄らずにしていても巻き込まれてしまうこともあります。
高校側に疑われてしまい、それでも「自分に非はない!」と自信を持って言えるなら、まずは信頼できる先生に相談してみてくださいね。
2024.3.22追記です。
息子のクラスメイトは、一般入試で受けた大学5校中3校に合格して、関西の有名私立大学に進学することが決まりました。
もし学校から何らかの処分が下されたとしても、その後の人生は自分の頑張り次第でいくらでも変えることができます。
しっかり反省したらすぐに気持ちを切り替えて、次の目標に向かって勉強を頑張ってくださいね。