娘は小学生の頃、家に帰るとすぐにその日貰ったプリントをダイニングテーブルに出し、水筒を洗い、宿題を終わらせてから習い事や遊びに出かけて行く「親に言われたことをしっかり守れる子」でした。
ピアノも毎日決まった時間に練習を始めていました。
娘に対して厳しくしつけをした覚えはなく、1~2回「やろうね」と伝えただけで自分の中でルールを決めてやるようになりました。
ところが3学年違いで生まれた息子は「親に何度言われてもやらない子」でした。
決して大袈裟な表現ではなく…
100回以上繰り返し注意しても、机の前に大きく「家に帰ったらやることリスト」を書いて貼り紙をしておいても、プリント・水筒は毎日出し忘れ、宿題も私が声をかけるまで一切やりませんでした。
「プリントを出しなさい」「水筒を出しなさい」「体操服はすぐに洗濯機に入れなさい」「宿題をやりなさい」同じことを言い続ける毎日にウンザリしていました。
何回注意すれば息子は言われなくてもやれる子になるの?
そんな悩みを持っていたところ1冊の本に出会い、読みながら目からぽろぽろと鱗が落ち、そして息子に対する接し方が分かったことで気持ちがとても楽になりました。
私と同じ「悩み」を持っている保護者の方は多いと思います。
私の悩みを解決してくれた本を書評としてまとめますので、ぜひ参考に読んでみてくださいね。
息子の発達に悩んだ日々
息子がまだ低学年の頃、「何度も言っても分からないのは息子の発達に問題があるから?」と疑った時期がありました。
公立の小・中学校の通常の学級において、学習面又は行動面において著しい困難を示す児童生徒が6.5%程度の割合で在籍していることが文部科学省の調査において明らかになったところである。引用:文部科学省
こちらの文部科学省のデータにある通り、息子が通っていた小学校では、クラスに1~2人は何らかの発達障害を抱えているお子さんがいました。
最初に書いておきますが、私は息子に障害があったとしても「マイナス」に受け止めるつもりはありませんでした。
発達障害は様々な症状があり個人差もあります。
娘の友達には「教科書の漢字は読めないけど計算がすごく早い子」「計算は苦手だけど暗記が得意で社会の教科書を隅々まで覚えれる子」など、自分の得意なことを上手に伸ばしているお子さんがいました。
娘の友達は皆、自分の長所を生かした高校に進学し、現在は就職したり専門学校や大学に進学しています。
ただ、「息子に何らかの発達障害があるのなら早い段階で得意・不得意を知っておきたい」と考え、発達テストを受けさせました。
テストの結果は「年相応の発達」でした。
先生からは「発達に問題がある子は部屋に入って来た瞬間に分かります。息子さんは問題がないとすぐに分かりました」と言われ…
本来なら喜ぶべき結果なはずでしたが、帰り道、気持ちは暗く沈んでました。
発達に問題がないと言うことは私の育て方が悪かったのかな…と落ち込みました。
「息子に対してこんな気持ちを持つなんて母親失格だ」と落ち込みながら、相変わらず息子を叱り続ける毎日を送っていたところ、本屋で1冊の本のタイトルが目に入りました。
気になったので購入して帰り、家で読んでみたところ目から鱗が落ちました。
私が本を読んだとき、息子は中学1年生になっていたので「息子が小学生のときにこの本に出会いたかった!」と心の底から思いました。
ビリギャルの著者 坪田先生の本を読んで
私がおすすめするのはビリギャルの通っていたカリスマ塾の講師である、坪田先生が書いたこちらの本です。
※参考の為にAmazonのリンクを貼りましたが、中古以外なら書店で購入した方が価格が安いです。
実は私はビリギャルの映画は観たものの、正直なところ内容は全く興味がありませんでした。
映画を見た当時、息子は9歳、娘は12歳だったので、大学受験のことはまだ考えておらず、
「ビリギャルのさやかちゃんとうちの子たちの性格は全然違うからなぁ」くらいの感想で、慶應大学合格なんて遠い世界の人の話だと思っていました。
うちの娘は「イケメン目当てで慶應大学を受験したい」とは絶対に思わないだろうなぁ。
なので、本屋さんで「人間は9タイプ 子どもとあなたの伸ばし方説明書」のタイトルを見かけたときも、あの映画で見たビリギャルの坪田先生の本なのね…と一瞬、購入することを躊躇いました。
たまたま開いたページに以下の文章が書かれていました。
※この文章はAmazonの試し読みで読むことができます。
上の文章に書かれていたことは、全て私が息子に対して毎日のようにやっていることでした。
そして本を購入することに決めました。
家で本を読みながら「息子のタイプ」を調べてみたところ(息子は嫌がらずこちらの質問全てに答えてくれました)なんと!ビリギャルのさやかちゃんと同じ「楽天家タイプ」であることが判明しました。
息子はさやかちゃんと一緒のタイプなの?と驚いてもう一度「ビリギャル」(録画)を見たところ、息子の性格と共通しているところが多くあることに気づきました。
この本を読んで、私は完璧主義者タイプ、息子は楽天家タイプであることが分かりました。
※親が完璧主義者タイプ、子どもが楽天家タイプだと相性は良くないとのことです。
何度言えば分かるのか?(答え532回です!)
今まで「何度言ったら分かるの!」と息子を叱って来ましたが、坪田先生は200人くらいの子どもたちに実験したところ、平均532回で分かってもらえたそうです。
平均532回?
「100回は伝えているのにちっとも分かってくれない」と考えていた私は、まだまだ甘かったことが分かりました。
本を読んで「うちの息子は何度言っても分からない」と悲しくなっていた気持ちが「何度も繰り返し伝えるのは当たり前のことなんだ」と思うことができ、肩の力が一気に抜けました。
中学生になり、反抗期に入った息子に何度も繰り返し注意するのは大変でしたが、ひたすら根気強く伝えればいいことが分かったので、「まだ532回言ってない!」と思いながら伝え続けました。
何を言っても変わらなかった息子の変化
本に書かれている対処法を100%実行できた!とまでは言えませんが、声掛けを本に書かれていた通り「褒める方向」に変えてから、少しづつ息子の勉強や生活に対する意識が変わり始めました。
褒められるようになったことで、ようやくやる気が出た様子でした。
本を読むことで「子どもに対する声掛け方法」はひとつではないことが分かり、娘と息子、それぞれのタイプ別の声掛けが出来るようになりました。
息子の発達について
この記事に息子の発達を疑った話を書くのはとても迷いました。
決して後ろ向きな気持ちでなく「書こう」と思うことが出来たのは、私の30年来の親友の存在があったからです。
私の親友(発達障害・ADHDの診断済み)は宿題や提出物を期日までに提出することが出来ず、学生時代はずっと悩んでいましたが、苦手な教科は先生や友達に教わって必死で勉強をがんばった結果、第一志望の大学に合格しました。
今は二児の母となって子育てをがんばっています!
そんな経緯もあり、私は障害に対して全くマイナスなイメージは持っておらず、息子の検査を申し込んだときも今後の息子に対する接し方を知るためだと前向きに考えていました。
上にも書きましたが娘、息子の友達で成長過程で「発達障害」と診断された子がいましたが、親や周りの友達のサポートのもと、本人たちの希望する進路に進んでいます。
息子は「診断」という形にはなりませんでしたが、私から見て発達にグレーの部分があるな、と感じることはあります。
ただ、どのような性格の息子であっても可愛い我が子には変わりはありません。
大事な我が子だからこそ真剣に悩みました。
高校2年生になった今も「プリントは?お弁当箱と水筒を早く出して!」と声をかける日がありますが、それでも一声かければサッと持ってくるようになりました。
532回以上声をかけ続けて来た成果がようやく出始めています(笑)
「息子くんは就職するとしっかりするタイプだよ」と先輩ママに言われたので、その言葉を信じて息子の自立に向け、これからも何度も声をかけ続けて行きます。
最後に
こちらは『ビリギャル』著者の坪田信貴が塾長を務める個別指導の学習塾です。
あれから先生の著書を何冊か読ませてもらい、塾の公式サイトを見て、大学受験を目指す息子を入塾させたいな…と検討しています。
息子は昔から担任の先生によって大きく成績が上下するタイプの子なので、説明会に行って話を聞いてみてからだな、と考えています。
どこの塾も「難関△△大学に○人合格!」など掲げていますが、正直そのような文言には惹かれません。
優秀なお子さんが行くような集団塾は、息子には合わないことは分かっています。
私が坪田塾に息子を入れたいと思った理由ですが、塾長坪田先生の著書に
「ダメな人間などいません、ダメな指導者がいるだけなのです」と書かれていたからです。
実際、坪田塾に入塾される生徒さんのうち約15%が学年ビリとのことです。
学年でビリの成績を取ってしまう「勉強にやる気のない生徒さん」が通っていても、退塾率が2.6%と書いてありました。
「勉強に対するモチベーションが低い息子だからこそ通わせてみたい」心からそう思うことができる塾です。