「推薦だと調査書の内容で合否が決まっているから、面接は形だけって本当?」と聞かれたことがあります。
推薦の場合、ある程度の”ほしい生徒”は面接前にすでに高校側で絞っていて、あとは実際に面接で会ってみて再確認しているだけなのでは?とのことでしたが…
結論から書きますと、面接の内容も推薦の合否に関係しています。
なぜ面接が合否に関係していると言えるのか?について、娘の公立高校の推薦入試の体験談を中心にまとめます。

この記事が、公立高校の推薦入試を受けたいと考えている受験生の参考になれば幸いです。
公立高校の推薦をもらえるのはどんな生徒なのか?
公立高校の推薦をもらえる生徒は、基本的に各中学校で厳選された人物的に優秀な生徒が多いです。

中学の校内推薦で他の受験生たちを押しのけて推薦を勝ち取った人たちだからね。
推薦をもらえた生徒の調査書の内容は、その高校の「推薦基準」を満たしているので、誰を合格させても問題はないのですが、愛知県の公立高校の推薦選抜には定員が設けられています。

普通科の高校だと、募集人員の10%程度~15%程度が推薦枠になっているところが多いよ。
令和7年度の熱田高校の推薦選抜の倍率は3.42~5.13倍と、とても高倍率で、32人~48人程度の推薦枠に124人の志願者がいたので、おおよそ70人程度が推薦で不合格になっています。
「熱田高校を受ける中でトップレベルに内申が高い」や「スポーツで全国レベル」など、飛びぬけた武器(実績)を持っている人なら、調査書の内容で合格が決まるかもしれませんが、ほんの一握りの人だけです。
推薦合格に達するか、達しないか、そのギリギリのラインに立っているような実績と内申がほぼ同じ受験生同士でしたら面接で落ちるか、受かるかが決まります。

ギリギリラインの人がほとんどだと思います。
公立高校の推薦入試の点数配分は?
愛知県の公立高校推薦入試における調査書と面接の点数配分は、高校や学科によって異なります。

公立高校の推薦の合否判定基準は高校側に任せられていますし、その基準も公表されていません。
※入学者の選抜及び合格者の決定については令和7年度愛知県公立高等学校入学者選抜実施要項(7ページ)に記載されています。
娘の公立高校の推薦入試の体験談
娘の中学からA高校の推薦入試を受けた生徒は(娘を含めて)3人いました。
- A高校(普通科) 偏差値60 勉強に厳しい田舎の進学校 推薦倍率は約2倍
Aさん 「絵画展入賞歴あり」 受験者平均内申よりプラス6
Bくん 「野球部の副キャプテン」 受験者平均内申よりプラス2
※娘とBくんは県大会出場経験はありません。
※Aさんは絵画展に何度か入賞していて、県代表として作品が海外の美術展の入賞歴もあります。

Aさんは中学の集会でよく表彰されていたよ。
Aさんは内申点が高かったので、「一般ならもう2ランク上の高校を狙えるよ」と塾の先生からも言われていて、この3人の中では間違いなく調査書の内容は一番高評価でした。
ところが推薦入試の結果はAさんだけが不合格となりました。
推薦で余裕で合格できる自信があったAさん、そして担任の先生もとても驚いていたそうです。
Aさんが不合格になった理由は?
中学の推薦を受ける生徒の面接指導では、高校に入った時点で私語は一切禁止と指導されます。

ですが、Aさんは控室で隣の席の子と楽しくお喋りをしていたそうです。
Aさんは面接でも緊張し過ぎて、面接官の質問と関係ない内容を早口で延々と話し続けてしまったとのことで、面接官に苦笑されたと言って落ち込んでいたそうです。
一般的に、面接の際は控え室や待機室での態度も評価の対象となります。
高校の控室で静かに過ごし、落ち着いて面接官の質問に落ち着いて答えることができていたら、Aさんは合格していたと思います。
控室でAちゃんと話をしていた子も推薦で不合格になっていたことが入学後に分かりました。

高校の控室の態度も先生方に見られているから気をつけようね。
「推薦で合格した人」の共通点
娘が入っていた部活の部員7人とクラスメイト3人の合計10人の推薦で合格した人の共通点は「自己アピールが上手」「ハキハキと通る声で受け答えができる」ことでした。

ガチガチに緊張しちゃって、少々言葉に詰まってしまった子もいたけど合格していたよ。
面接官はどちらかと言えば質問の内容より、話し方とか雰囲気を見てるような気がしたと全員共通が言っていました。

自分なりの言葉で、志望動機、何をしたいかを一生懸命に面接官に伝えることが大事です。
面接官によって質問内容は違います

娘のときは、5つくらいの教室にランダムで呼ばれて、面接官3人対生徒1人で面接が行われました。
娘が面接官から質問されたのは以下の5つです。
- 受験番号と氏名
- この高校を選んだ理由
- 中学校で頑張ってきたこと
- あなたの長所
- 好きな教科・苦手な教科
ただ、同じ高校の面接でも面接官が違うと「受験番号と氏名」以外は、質問の数が4つだったり5つだったり、質問された内容も微妙に異なっていました。
娘は「長所」を聞かれましたが、「長所と短所」両方聞かれた人もいましたし、「中学で頑張ってきたこと」で娘は部活の話をしましたが、
中学から一緒に推薦を受けたBくん(野球部の副キャプテン)は、「中学校で頑張って来たことは何ですか?部活以外で答えてね」と言われたそうです。

「部活以外で」って言われて大慌てしたんだって。
イレギュラーな質問が来ることもあるので、面接対策本も一冊読んでおくと安心です。
高校でも同じ部活を続ける方が面接で有利になるのか?
娘はバレー部のキャプテンだったので、面接官に「高校入学後はバレー部に入りますか?」と聞かれましたが、「他の運動部にも興味があるので見学をしてから決めます」と答えました。
家に帰ってから「バレー部に入りますって言っておくべきだったかな…」と不安そうにしていましたが、無事に合格していたので、面接官に対して自分の意見をはっきり伝えれば大丈夫です。

私の場合、キャプテンだっただけで部活の実績は何も無かったからね。
最後に
面接って緊張しますよね。
緊張に慣れるためには繰り返し面接の練習をして、「どんな質問にも答えられる!」という自信を持つしかありません。
娘の高校の先生曰く、
「面接でガチガチに緊張して噛んでしまったり上手く話せなくても大丈夫。高校で頑張りたい意思を自分なりの言葉で一生懸命伝えればいい」とのことでした。

私の高校は推薦希望者が多かったから、面接官の先生は大変だったみたいで…後半の面接は疲れ過ぎて頭がボーッとしてたって言ってたよ。

面接を受けるなら後半の方が採点が甘くなるかな…?