大学3年生の娘と高校3年生の息子がいます。
娘は大学の部活繋がりで「学連」の役員をやっています。
※「学連」とは大学部活動に所属する全学生の代表者が集まりです。競技全体の運営方針、年間活動計画、予算案などを定め、それを執行する機関です。
娘の学年は東海三県の国立大学・私立大学に通う15人が学連役員なのですが、大学1年生の時点で15人中なんと13人が教職課程を履修していました。
「教育学部の学生さんが多い学年なのかな?」と思っていたのですが、娘の話では13人の中で教育学部は1人だけで他12人は他学部とのことでした。
教育学部の学生さんは高校教師を目指していますが、他学部の12人の学生さんたちは、「教師の資格を取るだけ」とのことでした。
教育学部ではない「他学部」で教師になるためには、通常の家庭に教職課程をプラスして履修する必要があるのでスケジュール(時間割)がかなり忙しくなります。
どうして教師にならないのに資格だけ欲しいの?
学生時代の方が取りやすい資格だからかな。
結論から先に書きますと、「とりあえず教員免許でも取っておこうかな」という軽い気持ちなら教職課程の履修はおすすめしません。
なぜなら「想像以上に勉強が忙しくて大変…」と言って、12人中6人が一年生の時点で履修をやめてしまったからです。
1年間で半数が辞めちゃったんだね…。
今回は、教師になる気はないけど教職課程を履修しようか迷っている学生さんに向けて、娘が教職を履修して大変だったこと、そして良かったことについて詳しくまとめます。
履修しようか迷っている学生さんの参考になれば幸いです!
教職課程を履修するとどのくらい忙しくなるのか?
娘の通っている大学の学部で、教職課程をプラスして履修すると、どのくらいスケジュール(時間割)が忙しくなるのか教えてもらいました。
同じ学部で教職を履修していない学生だと1週間でどのくらい授業が入ってるの?
同じ学部の友達で、教職を履修していなくてギリギリの単位しか取らないと決めている子は、時間割が私の半分しか埋まってないよ。
教職を履修していない友達 ⇒ 大学2年生の後期は週に9コマ授業が入っていました。
※コマ数は大学/学部にもよっても違います。
(学期ごとに上限のコマ数を設けている大学もあります)
教職を履修していない同じ学部の友達は、「1コマしか授業のない日」や「平日に休みの日」がありますが、娘は平日は常に3~4コマ授業が入っている状態です。
卒業に必要な単位を取るだけなら楽だったけどね。
大学を卒業するためには合計124単位必要なのですが、娘は2年生までに既に105単位取っています。
教職単位を含めると、3年生の前期で130単位取り終えます。
必要単位を取るだけなら、4年生からは週に1回ゼミに行くだけで済んでしまう学生もいるのですが、娘は4年生の前期で教育実習が終わるまではこの授業ペースで忙しいです。
教職を取るために必要な単位数は?
娘は大卒で高等学校教諭(第一種免許状)の取得を目指しているので最低取得単位数は67単位です。
※各教員免許状取得に必要な単位数・内訳はコチラに詳しく書かれています。
教育学部でしたら、学部で必要な単位(卒業単位数)の中に教員免許を取るための単位が含まれているので124単位程度で卒業することができます。
ところが娘のような他学部(非教員養成校)だと、卒業単位+教員免許を取るための単位が必要となるので124単位+67単位を取らなければなりません。
※教職課程の授業によっては卒業単位に含めてもらうこともできます。
卒業するまでに1.5倍近くの単位数が必要になるんだね!
娘の通っている大学では前期と後期で習得できる単位に上限があるのですが、教職単位を取る場合はその上限を無視することができます。
無視しないと教員免許が取れないからね…。
卒業単位というのは、その学部/学科を修了するのに必要な単位数なので、娘が追加で履修している教職課程は、その学問分野とは無関係な学問分野となります。
そのため基本的に教職の単位は卒業単位には含めてもらえません。
※娘の通う大学の学部では教職課程の科目の一部だけ卒業単位に加えてもらえます。
大学によって単位の含め方が違うのでシラバスをご確認くださいね。
教職課程を取ると何年生が忙しいのか?
結論から先に書きますと、1年生からずっと忙しいです。
他学部で教職課程を履修した娘は、1~3年生の時間割は毎日3~4コマ埋まっている状態です。
※娘は基本忙しくない学部なのですが、それでも毎日3~4コマ埋まっています。
理系の忙しい学部の友達は月~土曜で毎日5コマ埋まっているそうです。
娘は1~3年生の間に卒業単位+教員免許の単位を取れるだけ取り、4年生では教育実習や一般企業に向けての就職活動をすると決めています。
1年生から取れる単位は全て取っているよ!
同じ学部で教職を履修している1学年上の先輩が、毎日とても忙しくしている様子を見て、来年も忙しいんだ…とため息をついていました。
教職課程を取っている先輩からのアドバイス
娘と同じ学部で、娘と同じ高校教師の教職課程を取っている先輩からのアドバイスです。
【大学1年生】 ⇒ 取れる単位を確実に取っておくこと(単位を落とさないこと)
【大学2年生】 ⇒ できるだけ多くの教職関連科目を履修しておくこと
【大学3年生】 ⇒ 3年生の前期までに教員になるか決めておくこと
4年生になるとすぐに教員採用試験があって教採に向けた勉強が必要になるから、3年生までに教員になるかハッキリ決めておくんだよ、と言われたよ。
教員免許を取るために必要だった意外なこと
教職課程で介護等体験・教育実習を履修する学生に対して、「過去の罹患歴や予防接種歴に関わらず、抗体検査の結果、麻しんに対する免疫があるという医師による証明を必要とすること」という文部科学省から大学への指導がなされています。
麻しん・風しんの抗体値だけ調べて、低かったらワクチンを追加接種するのかな。
娘の大学では「麻しん・風しん」「おたふく」「水ぼうそう」と3つの抗体値を調べる必要がありました。
全て抗体値が高い学生は娘の周りにはおらず…1~2つの追加接種が必要となったそうで、1万円近くの大きな出費となりました。
私は麻しん・風しんだけ抗体値が足りなくて追加接種になったよ~。
ちなみに娘はおたふく・水ぼうそうは入園前に自然感染していて、麻しん・風しんはワクチンを打っていました。
教職課程を途中でやめる割合は?
娘の学部の「教職課程を途中でやめる割合」です。
入学して最初に行われた「教職課程の説明会」で、大教室に満員になるほど集まった学生に向かって、先生は「教育学部の学生以外は1年生のうちに半分の学生が教職の履修をやめます」と言っていました。
1年のあいだに半数が履修をやめちゃうの?
履修をやめる大きな理由は以下の3点でした。
- 実際に教職の授業を受けてみて、自分に教師は向いていないと思った
- 教職課程を続けるために必要なGPAが取れなかった
- 年に数回行われる「教職を続けるためのテスト」に合格できなかった
自分の学科の単位を落としまくって、教職課程どころじゃなくなった学生さんもいました。
娘の大学では、多くの学生が成績が理由で教職を続けられなくなっていました。
最初に書いたのですが、学連の役員たちも1年間で約半数の6人が教職の履修をやめています。
人前で話すのがどうしても苦手でやめた役員もいたよ。
教員免許が取れる大学一覧
文部科学省の公式ホームページに「令和3年4月1日現在の教員免許状を取得できる大学」が載っています。⇒ コチラです。
こちらのホームページで、驚くほど沢山の大学で「教員免許」を取得できることが分かりました。
志望している大学で教員免許が取れるか確認してみてくださいね。
教員免許を持っていると就職で有利になるのか?
娘は高校の専門学科(副教科)の先生を目指しています。
「教員免許を持っていると、一般企業の就職試験で不利になる」と同級生から聞いて不安になっていました。
教員試験に落ちたら一般企業の就職を希望しているけど、教員免許を持っていることを隠した方がいいのかな?
せっかく頑張って取った免許なのに隠すのも変だよね。
悩んでいても分からないので、学部の先生や教授にアポを取り直接聞いてみたところ、娘が履修している専門学科は、就職する際に必須になる企業があることが分かりました。
就職の役に立つかどうかは教員免許の種類によっても違うので、自分の学部の先生に相談してみてね。
娘が話を聞きに行った4人の先生は全員「教職は取っておくといいよ」と教職に対して肯定的に話をしてくれたので安心できました。
教職課程を履修して良かったこと!
教職課程を履修して一番良かったことは?
他学部の友達がたくさんできたことだよ~!
教職課程の授業では学部ごとに分かれて座ることはありませんし、授業で毎回のようにグループディスカッションを行うので、あっという間にクラス全体が仲良くなります。
2年生の後期まで残っているメンバーは、まじめに教職課程の勉強に取り組んでいる学生ばかりだったので、教室の雰囲気が良く、和気あいあいとしていて、仲の良い友達がたくさんできたので履修して良かったと言っています。
最後に
教職課程を履修することで、大学生活がかなり忙しくなった娘ですが、毎日のように顔を合わせる「教職のメンバー」ととても仲良くなったので、大学に行くのが楽しいと言っています。
自分の学部以外の友達ができる機会って意外と少ないからね。
ただ、やはり教職は向き不向きがあります。
「私には向いていないな…」と思ったら、無理して履修を続けず、別の資格取得のための勉強に切り替えることをおすすめします。
教職をやめて、宅建の資格を取った友達もいたよ!