愛知県では教員採用試験の倍率は低下傾向にありますが、不合格者の数は減少していても、人気のある教科の倍率は依然として高いままです。
実際に、娘が受けた教科の倍率は軽く10倍を超えていて…
娘の学部では毎年50人近くの学生が教採を受けているのに、1次試験を通過できる人は数人しかいないと聞いて驚きました。

中学、高校は教科によっては現役一発合格する方が難しいんだよ。
さて、ここで気になったのは「教員採用試験に不合格になった”娘と同じ学部の友達”の大学卒業後の進路」です。

来年もう一度、教員採用試験を受けるのかな?
この記事では、娘から聞いた教員採用試験に不合格になった友達の大学卒業後の進路についてまとめました。
大学で教職を履修しようか迷っている方の参考になれば幸いです。
教員採用試験に不合格になった友達の”大学卒業後”の進路
その① 常勤・非常勤講師になる
教員採用試験に不合格になった友達の一番多かった卒業後の進路は、
常勤か非常勤講師をしながら教員採用試験に再チャレンジするでした。

常勤や非常勤講師って希望した地域の学校で採用してもらえるの?

勤務を希望する市町村に登録しておいて欠員が出たら採用してもらえるシステムだから、希望通りにならないこともあるよ。
非常勤講師は、自治体の講師登録名簿に登録しておいて、教師が不足したときに教育委員会から連絡が来るというシステムなのですが、欠員がなければ「希望する市町村」の範囲を広げる必要があります。
参考資料:愛知県教育委員会公式ホームページ「愛知県内の公立学校で働いてみたい方へ」
雇用が不安定なのが気になるところですが、娘の友達は8割の人が常勤か非常勤講師の道を選びました。

ただ、常勤の友達は忙しくて勉強する時間がなくて今年も教採に落ちたけど、非常勤の友達は合格していたよ。
その② 大学院に進学する
教員採用試験と大学院入試の勉強を同時進行でやっていた友達がいました。
最終的に、教員採用試験の二次試験に落ちて大学院に合格したので進学することを選びました。
2022年度のデータですが、定員割れしている教職大学院は35大学あり、全体の64.8%を占めています。
参考資料⇒データは語る「Q. 入学定員数を下回っている教職大学院はどのくらいありますか?」より

大学院に通いながら、来年も教採を受けるって言ってたよ。
その③ 一般企業に就職する
娘の学部で教員採用試験を受けた約50人の中で「一般企業に就職した人」は、うちの娘一人だけでした。

教員採用試験のための勉強と就活の時期が重なるので「一般企業に就職する人」は少ないです。
娘は教師か一般企業かで迷って、大学の先生方に相談したところ「教師はいつでも目指せるから、迷っているなら一般企業を受けておいたら?」とアドバイスをもらったので、早くから就活を始めていました。

一般企業⇒教師よりも、教師⇒一般企業の方が転職の難易度が高くなるんだって。
娘が大学の先輩に教えてもらって登録していた新卒エージェントはこちらです。
エージェントは相性がありますので、いくつか登録して合うところを探してみてくださいね。
プロのカウンセラーのES添削・面接対策受け放題!新卒エージェント UZUZ
大手企業の人事担当者が立ち上げた就活エージェントです。
真に選考の答えを知っているからこその対策を受けられます。
大手企業の現役面接官が運営する就活エージェント【ユメキャリAgent】
「教員免許を持っていると就活で不利になる」
先輩からそんな話を聞いていて、就活を始める前は不安そうにしていましたが、結論から書きますが娘の就活では全く不利になりませんでした。
娘は最終的に、一般企業の総合職に数社内定をいただきましたが、面接で教職課程を履修している話をすると「学業を頑張っているんですね」と、とても好意的に言ってくれる人事の方ばかりだったそうです。

10社以上で面接を受けたけど「なぜ教師にならないんですか?」と聞かれたことは一度もなかったよ。
その④ 子どもの教育に関わる仕事に就く
教採に落ちたので、塾講師や放課後児童クラブのスタッフとして働くことを決めた友達もいました。
塾講師や放課後児童クラブに元々アルバイトで入っていた人は、卒業後もアルバイトを継続しているそうです。

子どもに関わるバイトをしながら、来年、教員採用試験に再チャレンジするんだって。
このように雇用が不安定な非常勤講師ではなく、ある程度金銭的に安定した仕事に就いた上で、教員採用試験の勉強を続ける人も多いです。
教員採用試験と就活を両立するのは難しい?
大学卒業後に非常勤講師をしながら7回教員採用試験を受けて合格した、という先生もいましたが…
親に金銭的に甘えながら何年も非常勤講師を続けられるのは、「恵まれた環境」の人だけです。
金銭的に余裕がなく、”教員採用試験に不合格になったら一般企業に就職したい”と考えている人なら、早めに就活に向けて行動する必要があります。

大学4年生の6月の第1次試験が終わってから就活を始めるのは遅いよ。
教員採用試験と就活の両立は「早期内定」を勝ち取ることさえできれば、決して難しくありませんので、少しでも早く就活を始めましょう。
一番人気のSPI対策本です。
娘もこちらの会社の対策本で勉強していました。
教師の仕事はどんなことが大変?
娘の友達から教えてもらった「教師の仕事の大変さ」を書き出しました。
公立小学校・教員(Sさん)⇒ 新卒でいきなり担任を持つので仕事に慣れなくて、朝から夜まで息をつく暇がない。実家から遠くの小学校に赴任したので一人暮らしをしているけど、自炊する余裕がまだない。
商業公立高校・常勤(Mさん)⇒ 授業はわりと自由にやらせてもらえていて、他の先生方との人間関係は良い。バレー部の副顧問になったので休みが月に1~2回しかない。休日は練習試合で他校に行くことが多く、毎週のように母親に車で送ってもらっている。親の協力に感謝している。
公立高校・常勤(Rさん)⇒テニス部の副顧問になったので、生徒が朝練に来る前にコートの整備をひとりでやっている。平日は忙し過ぎてお昼ご飯を食べる時間がないので、お弁当は持って行かなくなった。田舎の高校が関係しているのか、先生同士の上下関係はっきりしていて新人に対して厳しい。
娘が先月、教員・常勤・非常勤講師の友達7人とオンライン飲み会をしたときに、全員「半泣きで仕事が辛い」と言っていたと聞いて、評判通りの大変な仕事なんだな…と思いました。

常勤・非常勤の友達は、「一般企業も受けておけば良かった~」って言ってたよ。
最後に
娘が辞退する前に、愛知県の教員の勤務条件について調べてみましたが、初任給は大手企業の新卒と変わらない額で、年齢と共に給料が上がっていき、ボーナスも補償されています。
なので、教員の給料(ボーナス)自体は決して安くはありません。
⇒ 令和8年度(2026年度)採用 愛知県公立学校教員採用選考試験受験案内「第10勤務条件」
ただ、娘の友達の話を聞いている限り、教員の仕事量と残業時間、残業代が見合っているかどうかについては疑問が残ります。

一般企業なら休日出勤したら割増し賃金になりますし、深夜手当も出ますからね。
この先、部活動の改革など「教員の働き方改革」がしっかり行われて、先生方が少しでも働きやすい環境・職場になってくれることを願います。