受験生は志望校に合格するために、来る日も来る日も遊びに行くことも、ゆっくりテレビを見ることも我慢して勉強を頑張ります。
ようやく受験が終わり、自己採点では合格圏内に入っていたのに、いざ合格発表を見に行ったら結果は不合格…。
そして何故か、自分よりかなり自己採点が低かったはずの友人が合格している…。
毎年ひとりはそんな話を耳にします。
納得いかないのは当然です。
自分も友人も自己採点が間違ってたのかな?と親子で気になって仕方がないはずです。
そのような生徒のために公立高校の受験者には「試験の成績を開示請求できる権利」が存在しています。
私の娘は公立高校に推薦で合格していたのですが、一般の試験で入学できる点数は取れていたのかな?と疑問に感じたことがありました。
入学後の最初のテストが「ビリ」に近かったのでそう思いました。
学年最下位になっても大丈夫!!「高校1年生初めての定期テスト」
結局、娘は開示請求をしなかったのですが、我が家のように受験後に様々な理由で「点数」を確認したいと考えるご家庭はたくさんあると思います。
この記事が、「入試の点数を調べようか、どうしようか?」と迷っている受験生や保護者の参考になれば幸いです。
開示請求できる期間
開示請求できる期間は、各試験の結果を発表した当日からその翌月同日までとなっています。
合格発表から約1か月と、とても短い期間なので早めに手続きしてくださいね!
開示請求の手続きの流れですが、まずは受験した高校に電話します。
電話に出た事務所の方に「個人情報保護法に基づく成績開示請求をしたいのですが、いつまでにどのような手続きをすればよいのか教えて下さい」と質問します。
高校側は開示請求の時期と方法を決めているので、すぐに対応し手続きする方法を教えてくれます。
開示請求には正式な手続き「身分証明&受験番号の提出」が必要です。
電話越しにいきなり点数を教えてくることはありませんのでご安心ください!
教えてもらえること
開示請求ですが、入試の際に書き込んだ”解答用紙”を見せてもらえるわけではありません。
点数開示(各科目の点数)だけを教えてもらえます。
名古屋市の公式HPには【口頭で開示できる簡易開示】と書かれていますので、名古屋市立高校の方は市役所にて、点数だけ口頭で伝えられるのだと思います。
県立高校は、合格発表の次の日から高校の事務所で頼めば、その高校内で教えてもらえると娘が言っていました。
娘は現在県立高校に通っているのですが、公立高校の入試終了後に試験官の先生から開示請求についての説明があったとのことです。
過去の開示請求人数
名古屋市の公式ウェブページに載っていた 公立高校の点数の開示請求人数です。
平成29年度 19件
平成30年度 25件
意外と少ないんですねぇ。
塾から頼まれて開示請求するお子さんもいるそうです。
開示請求の際に分かるのは、自分の合計得点だけなので、他の受験生の点数を教えてもらえるわけではありません。
点数を確認したあとは…
開示された結果を見て納得できなければ、中学や高校、教育委員会などに問い合わせする必要が出て来ます。
そして最後の手段は裁判となるのですが、判決が出るまでに時間がかかります。
開示された点数を見て納得行かなければ、先ずはお子さんと「裁判を起こしてでもその高校に本当に入学する意思があるのか」を話し合う必要があります。
仮に合格を勝ち取ったとしても、すでに新学期は始まっているので、それでも良いのかを考えなければなりません。
自己採点の怪しさ
私の娘の話ですが、今まで受けた「模試の自己採点」と「実際に送られて来た模試の点数」は一度も合計点数が合っていたことがありません。
先日受けた「高校3年生で受ける大学のマークシート形式の模試」でも、先生がクラス全員が自己採点を間違えていたと言っていたそうです。
2点違いの子が一番自己採点が近かったと先生が言ってたよ!
高校入試は記述式の問題もあるので、記述が合っているかどうかでも点数は変わります。
(娘の通う塾では、記述式の問題は全て0点で計算するように指導されてました)
娘が高校に入学した後の話ですが「この学年は入試の漢字の間違いがとても多かった!」と担任の先生から言われたそうです。
※2017年度のマークシート方式になる前の話です。
このように、知らないうちに漢字の間違いで減点されている可能性もあります。
ちなみに採点ですが、教職員3人態勢で3回チェックして、最後に校長・教頭もチェックするとのことで1枚の答案用紙に最低でも5回のチェックが入ると聞きました。
これだけの人数で採点しているなら、よっぽど間違えることは無さそうですね。
※2023年度からマークシート方式に変わり、採点がとても楽になったと先生方が喜んでいたそうです。(息子情報です)
最後に
合否は入試得点のみで決まるものではないですし、得点に対しての内申の「傾斜のかけ方」は受ける高校によって違います。
「愛知県の公立高校入試」内申が足りない場合どこまで当日点で戦えるのか?
公立高校の入試では内申書の評定のみを参考にすることはないですし、ボーダーぎりぎりの子が何人かいた場合は、欠席日数や部活動の状況等による総合的判断がされます。
上記までの点を含めて、開示請求するかどうかをお子さんとよく話し合って決めてください。
ここまで少し厳しめのことを書きましたが、調べてみたところ過去に開示請求によって合否がくつがえることが事実としてありました。(愛知県外の高校です)
ずっとモヤモヤと合否をひきずるくらいなら、点数を教えてもらってスッキリしたいと思う気持ちはよく分かります!
私と娘も、点数を教えてもらわなかったことを後悔しているので、息子の入試は絶対に開示請求するぞ!と今から決めています。
インターネットなどでもっと気軽に開示請求できるようになったら良いんですけどね。
学年全員で「せーの!」で開示請求すれば、本当の合格点(ボーダーライン)が分かるんだけどね。
最後になりますが、どこの高校に入学しても、充実した高校生活が送れるかどうかは自分次第です。
第一志望校に不合格になった娘、息子の友達はたくさんいましたが、入学して1年以上経った今ではどの子も楽しい高校生活を送っています。
開示請求をしたらしっかり「点数」という事実を受け止め前に進んでくださいね!
2021.8.16追記
娘の大学受験と重なってバタバタしていたことで息子の開示請求をするのをすっかり忘れていましたが、息子の友達2人が開示請求を行っていたので話を聞いてみました。
(友達2人はそれぞれ別の愛知県立高校に通っています)
開示請求はどちらも親が高校に電話してお願いしたそうです。
新学期が始まってから、本人が別室(事務室?)に呼ばれ、口頭で合計点数だけを教えてもらったとのことです。
(口頭で伝えられながら、点数が書かれている紙を見せてもらったと言ってました)
私が驚いたのは、2人の友達の点数が塾で言われていた「合格するためのボーダーライン」をかなり大きく下回っていたことでした。
最低でも160点以上取らないと入れないと言われている高校で、130点台で入れたくらいの大きな差がありました。
友達2人も点数を聞いて驚いていたそうです。
友達2人が最低ラインであったことは間違い無いのですが(本人たちもそう言ってました)公立高校はチャレンジ受験すれば、実は入れたりするのかも…なんて思ってしまった出来事でした。
その年の倍率が大きく下がっていたのも、点数が低くても合格出来た理由だと思いますけどね。