大学3年生の娘と高校3年生の息子がいます。
娘は1学年上の先輩方にアドバイスをもらいつつ就活を始めました。
娘が一番驚いていたのが、エントリーシートに「大学進学時の入学方式をご選択ください」と書かれていた先輩の話しでした。
面接で「入学方式は?」と質問されることもあると聞いていたけど、エントリーシートに最初から書いて提出する会社もあるんだね!
人気のある大企業だと採用倍率は500倍を超えることもあるので、応募した時点で「学歴フィルター」でふるいにかけられることは娘も知っています。
でも、一番最初に提出するエントリーシートの段階で、入学方式についてこんなに堂々と質問されるとは思ってもみなかったそうです。
娘のように「学歴フィルター」は知っていても「入学方式別フィルター」の存在を知らない大学生は沢山いるのではないでしょうか?
今回は娘が先輩方から教えてもらった「入学方式フィルター」についてまとめます。
この記事が、就活中の大学生の参考になれば幸いです。
就活における入学方式フィルターとは?
学歴フィルターは、企業側が候補者管理ツールで設定することでリクナビとかマイナビとかが、上がってくる候補者データに対してフィルターかけているので、学生側からはかけられているかどうかの判断はできません。
ただ、入学方式についてはエントリーシートにアンケート項目があって自分で選択することになるので、かけられているかどうかを自分で判断することが可能です。
先輩の話では「アンケート項目」の中に、大学進学時の入学方法をご選択くださいと書かれていたんだって!
嘘をつくような先輩ではありませんが、どのように書かれているのか気になったので調べてみたところ、このような内容のツイートを発見しました。
某企業のES、恐ろしくて草 pic.twitter.com/QOVXFbIOJP
— シューマ@22卒 (@bokuhamuzituka) May 31, 2020
本当にあるんですねぇ。
※娘が受験した年から、総合選抜型(旧AO入試)と学校推薦型(指定校・公募制)に名称が変わったので、今年度辺りからアンケート項目の名称が変わっているかもしれません。
2023.11追記 今年の夏の時点でアンケート方式の名称は変わっておりませんでした。
一般・推薦どちらの学生が欲しいのか?
文部科学省の「2022年度国公立私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」によると、私立大学入学者の入学比率は以下の比率となっていました。
推薦(総合型選抜)の入学比率 … 42.6%
このように、私立大学は合計54.4%をAO・推薦で占めているとのデータがあり、一般入試の入学者の方が少数派だということが分かります。
※全国平均のデータなので大学によって比率は変わります。
推薦入学している私立大学の学生が半数以上いるのに、さらに入学方式フィルターにかけたら半数以上の応募者がいなくなります。
推薦か一般かにこだわる企業ってそんなに多くあるのかなぁ。
先輩からは推薦か一般かにこだわっている企業の話は聞かなかったけどね。
指定校推薦を選んだ途端、あからさまに落とされた(お祈りメールが届いた)という話がTwitterに流れていましたが、娘の大学の先輩からはそのような話は一度も聞いたことがありません。
「推薦ですか?一般ですか?」と面接で聞かれた推薦入学の先輩が2人いましたが、どちらもその質問をされた企業に内定をもらっていました。
先輩のキャラの評価を裏付ける材料として聞いたのかな?
推薦入学の人は自己アピールするのが上手って言うからね。
入学方式を企業側が調べる方法は?
入学方式を企業側はどうやって調べるの?
学籍番号で分かるようになっている大学があって、中にはそれで推薦か一般かを振り分ける企業もあるんだって。
ある総合大学(学生数の多い大学)では「手続き順」に学籍番号がつけられていました。
例えば中央大学は、出席番号の最初は推薦入学者で、後ろの方の番号は最後まで他校を諦め切れなかった延納者とのことです。
娘も、国立大学の後期まで受けたので、私立大学の入学金は3月下旬の納付期限ギリギリまで延滞して支払いました。
高校名である程度判別できると聞いたのですが、娘の通っていた高校から今通っている大学へは、指定校推薦、公募推薦、一般入試と様々な入試方式で入学している学生がいます。
そのような高校出身の場合、手続き順に学籍番号がついていない大学なら入学方式の嘘をついても分からないのでは?と娘は言っているのですが、
- どこの大学を受験したのか?
- 今の大学が第一志望だったのか?
- 共通テストは受験したのか?
面接の中でこのような質問を順番にしていけば、直接的に一般入試を受験したのか推薦入試での入学なのかを聞かなくても、受け答えの中で入学方式は判明します。
下手な嘘はつかない方がいいね。
推薦入学の先輩が就活で大変だと言っていたこと
大手企業の採用試験は、以下の2つを突破して初めて、面接選考まで進むことができます。
- エントリーシート
- SPI試験(筆記試験など)
SPI試験のあとにグループディスカッション選考がある企業もあったよ!
娘の部活の「推薦入学の先輩方」が口を揃えて大変だと言っていたのはSPI試験でした。
SPI試験は、高校レベルの英数国の問題なので、推薦組より長く受験勉強をしてきた一般入学組の方が有利になることが多いです。(一般的な話で全員に該当する訳ではありません)
早慶・MARCH・関関同立に一般入試で入学できる実力のある学生なら、高偏差値を叩き出せる問題なので、高校レベルの数学や英語が解けない学生は、SPI試験でバッサリ落とされます。
こちらは新卒を対象とした無料の就職支援サービスです。
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就活生たちの本音
採用条件をもっと明確にして欲しいよ~!
フィルターをかけるなら、最初から採用の要綱にはっきりと書いて欲しい!と就活中の学生たちは口を揃えて言っています。
私も就職氷河期を経験したので娘の気持ちは良く分かります。
- ○○大学以上の学歴(学部の偏差値○○以上など)
- 何歳まで(何浪まで)
- 男性のみ、女性のみ
- 身長、体重、容姿など
必要な学生を最初から全て正直に教えてくれれば、就活生たちも何十社もエントリーシートを送るような無駄な時間を使うことはありません。
足切り対象で最初から採用されることのない企業に面接に行くのは、学生たちにとって無意味な時間です。
面接の労力やストレスって中々のものですからね…。
最後に
この記事を書き始めたのは7月中旬なのですが、その時点で娘はまだ1~2社しかエントリーシートを出していませんでした。
ところがその後、8月中旬頃までに娘が申し込んだ企業で立て続けに「入学方式」と「出身高校名」「所属している部活名(役職名)」を書く欄がありました。
エントリーシートで選択する必要があったのは以下の4つの入学方式です。
- 一般入試
- AO入試
- 指定校推薦
- 内部進学
この4つだけじゃなくてスポーツ推薦も入れるべきじゃない?
スポーツ推薦で大学の進学が決まったクラスメイトがいる息子はそう言っていましたが、スポーツを頑張っている学生が欲しい企業はたくさんあります。
理由は部活を頑張っている学生は仲間と協力し合える人が多いからです。
ところで娘の周りでは、一般入試で入ったけど大学をサボりまくっている友達もいますし、推薦入試でも勉強をがんばって学部で表彰された友達もいます。
入学方式より圧倒的ガクチカを評価する会社が多いって聞いたよ。
大学に在学中に色んなことに挑戦しておくことが大事だね。
最後になりますが、メガバンク・大手メーカー・大手証券会社などの大企業を希望するなら一般入試で早慶以上に入る必要があるのかもしれませんが、会社はそれ以外の中堅企業が大多数を占めています。
入学方式に必要以上にこだわってくる会社ならこちらからサッサとお断りしましょう。
「大学で何を学んだのか」「会社に入ったらそれらをどのように活かして努力していくのか」をアピールできるように、就職活動の準備をしっかりとすすめておくこと、それが何より大事です。
焦らずに就活をがんばってくださいね。