大学2年生の娘と高校2年生の息子がいます。
娘は最近、就職活動を意識して、エントリーシートの書き方や適性検査について調べています。
この就職活動をする学生らの能力や適性を測るために企業が実施している適性検査なのですが、今は自宅や大学のパソコンから受けることが主流となっています。
今どきはほとんどの大学生が自分用のパソコンを持っています。
※以前は「テストセンター」と呼ばれる専用会場のパソコンでも受けることができたそうですが、コロナ渦以降は、感染予防の観点から会場受験は激減し自宅受験が中心となっています。
ふと、私が就職活動をしていた数十年前も、企業の入社試験で適性検査を受けたなあ…と思い出しました。
今ほどパソコンが普及していなかった時代だったので、企業の数少ないパソコンで順番に検査を受けました。
適正なし判定を受けて本気で落ち込んだ記憶があります。
「自宅のパソコンで適性検査を受けるなら、いくらでも不正できるよね?」と考えていたところ、ちょうどTwitterでWebテストの替え玉受験のニュースが流れて来ました。
家のパソコンでやれちゃうテストなのに罪に問われることがあるんだね!
- 自宅のパソコンでできる適正検査とはどのようなものなのか?
- 替え玉受験をすると、どのような罪に問われるのか?
- そもそもどの程度、企業の人事部の人が「適性検査」を見ているのか?
娘が今後、入社試験を受けるに当たって気になることを調べてまとめました。
タイトルにした「替え玉受験はなぜバレるのか?」ですが、このニュースが報道される前には代行サービスとして堂々と集客しているサイトが沢山ありました。
Twitterでも堂々と募集していたので、「隠す気がないよね…」と娘と話していました。
とは言え、今回替え玉受験をした人が検挙されたのでこのようなサイトを利用したら罪に問われることは間違いありません。
大学生の子どもがいる母として、これから就職活動を始める学生さんは、このようなサイトやサービスを利用しないで欲しいな…と思いながらまとめます。
適性検査(Webテスト)とは
適性検査の導入率は94.0%となっており、ほとんどの企業が導入しています。
適性検査には「能力適性検査」と「性格適性検査」の2種類があります。
何種類の適性検査があるのか調べてみたところ、最低でも30種類はあることが分かりました!
その中でも適性検査のシェアNo.1であるのが株式会社リクルートマネジメントソリューションズが提供する「SPI」です。
SPIは「能力検査」「性格検査」の2種類の検査からなります。
(SPIの難易度は高校卒業レベルです)
性格検査 能力検査 言語 非言語 英語 構造把握に分かれて出題されます。
数学の問題は大人塾さんのウェブサイトから無料で受けることができます。
⇒ SPIテストセンター練習問題(模擬試験)に挑戦!【無料】
高校卒業レベルの数学でしたが、文系で数学が苦手な学生さんは前もって勉強しておくことをおすすめします。
数学が得意な娘は10問中7問解けていましたが、数学が苦手な私はなんと3問しか解けませんでした…。
娘が大学の先輩にお勧めされて購入した参考書はコチラです。
替え玉受験は犯罪になるのか?
どちらも犯罪になります!
替え玉受験者が検挙された事件をニュースで見て、どのような罪に問われるのか調べてみました。
替え玉受験に成りすました本人には「私文書偽造罪(刑法159条)および同行使罪(刑法161条)」が成立する可能性があります。
替え玉を依頼した就活生も実際に成りすました人と同じ罪が成立します。
オンライン試験の場合は、書面の答案は作成されませんが、電磁的記録に対応した処罰規定である
「電磁的記録不正作出罪および同供用罪(刑法161条の2)」が成立します。
代行サービスはあるのか?
こんなこと書いていいのかなぁ?
ほんの1カ月前まで、適性検査の代行サービスは検索すれば普通に見つかりました。
適性検査の問題集はあるのかな?と検索して普通に出て来るので「こんなに沢山の代行サービスが堂々と募集しているんだ…」と若干引いたほどです。
「適性検査 代行サービス」で検索してみたところ、「適性検査 代行 安い」「Webテスト 代行 おすすめ」とか「大学生によるWebテスト代行サービスの評判や口コミ」等々…
Twitterのアカウントを含め、検索すればいくらでも出て来ました。
今回の「替え玉受験のニュース」が取り上げられたあと調べてみたところ、Twitter含め、一斉にサイトが閉鎖されていました。
私が入社試験を受けたときの話ですが(30年近く前の話です)適性検査→筆記試験→面接と進んだのですが、最後に「変な内容の適性検査だったでしょ~!」と面接官の方から話を振られました。
私の適性検査の結果が低すぎたのでそのような話をされたんだと思うのですが…
(筆記試験で合格していたので面接まで進むことができました)
もし代行サービスに適正検査を完全にお任せしていたら、面接で「適性検査の感想」について聞かれても答えることは出来ませんでした。
そのような理由があったので、娘には「代行サービスは使っちゃ駄目だよ!」と娘に伝えていました。
友達にやってもらうのも駄目だよ!
ちゃんと自分でやるってば!
娘は、「有名大学の学生が代わりに適性検査を受けてくれたとしても、自分の大学の偏差値から推定できる点数と大きくかけ離れているはずだから、どこかで疑われるはずだよね」と言ってました。
疑われなかったとしても、万が一でも代行業者側が摘発された場合、ログを調べれば 利用者を全て洗い出すことは可能です。
危険を冒してまで人に頼むことではありません。
企業はどの程度、適性検査を参考にしているのか?
企業は適性検査をどこまで重視しているの?
企業が本当のことをウェブサイトに書いてあるはずもなく…
それでも大学名だけで「足きり」されるより、適性検査を行ってくれる会社の方が良心的なのかな、と思いました。
一応チャンスはあるってことだからね!
適性検査を行うことについては、希望者全員を面接するほどのリソースも無いですから、ある程度人数を絞りたいと言うのが本音かもしれません。
学生時代何十社も受けた経験から、本当にレベルの高い会社は会場に希望者を集めて受験のような形式で試験を行っていたことを思い出しました。
(今でもそうなのか、娘の就活で調べてまた記事にします)
この方法が一番平等な入社試験のやり方ですね!
私は就職氷河期世代です
私は就職氷河期世代です。
(就職氷河期世代は、一般的に1970〜1980年生まれの年齢の人のことを言います)
特に私の学年から不景気になり、事務員が数人しかいない小さな事務所でも、100人近くもの応募者が殺到する時代を経験しました。
私も当時の適性検査では散々な結果を出していたので、不正してでも良い結果を出して、安定した職に就きたくなる気持ちはよく分かります。
なので「替え玉受験は犯罪になるのか?」と調べていて、頼んだ方の学生さんも罪に問われることが分かったときはなんだかやりきれない気持ちになりました。
内定が欲しくて必死だったんだろうな…。
縁故入社が羨ましかった過去
就活生時代、ずっと入りたいと思っていた企業があったのですが、氷河期時代でもあったので身内採用しか行っていないと聞いてショックを受けました。
ずっと憧れていた企業でした…。
私の友達も全く同じ理由で、試験を受けて落とされていました。
とても成績優秀な友達だったので落とされたことに驚きました。
⇒ 友達は一念発起して公務員試験の勉強を頑張り、国土交通省の採用をもらっていました。
このように採用枠が無いのに、職安を騙すためだけに試験を受けさせることが昔は蔓延していました。
「コネクションや身内採用なんてなくなれー!!」と学校の友達と話した記憶があります…。
当時の私としてはこちらを逮捕してもらいたかったです。
最後に
Webテストの替え玉受験のニュースを見て、このような内容のコメントが多くありました。
- Webテストは、ちゃんとテストを解けるOR助っ人を呼ぶコミュ力がある、のどっちかを見てるのかと思ってた。
- 自分のPCで受けれるタイプのWEBテストは集団で挑むか、頭がいい友達を呼ぶのが常識になってる。
- これ人脈を見るテストなんじゃないの?って当時思ってた。
- 自宅でPCから参加するテストだから、誰が答えてるかわからない。どれだけ頼れる仲間がいるか、人間関係も試されているんだよって先輩が言ってた。
上にも書きましたが、私は就職氷河期時代の就活生でしたので、「どんな手を使ってでも試験を突破したい!」と思う学生さんの気持ちは分かります。
ただ、今回様々な適性検査を調べたり実際にやってみたところ、本当によく出来ているテストだと言う事が分かりました。
性格検査は、かなりのスピードで次々に答えて行く必要があるので、自分を作った回答をし続けているとどこかで矛盾が生じて来ますし、
仮に代行業者にテストを受けてもらったことで能力検査で高得点を取り、1次試験に突破できたとしても、娘の言う通り出身大学の偏差値と適性検査の結果がかけ離れていたら、面接官もチェックするはずです。
入社後、配置を決めるためにもう一度「筆記テスト」を行う会社もあるとのことなので、ズルをせず自分自身の力で受けましょう!
正直者が採用される世の中になって欲しいですね!