高校は義務教育ではなく「単位制」となっています。
卒業するためには「必要な単位」を取らなければならないのですが、欠席日数が多かったり成績不振の場合は、「必要な単位」を取ることができず留年してしまうことがあります。
娘は偏差値60くらいの普通科の高校を卒業し、息子は偏差値55くらいの普通科の高校に通っていますした。

どちらの高校も、毎年成績不振や出席日数不足などで「進級が危ぶまれている生徒」が学年に2~3人いました。
成績不振の場合は早い段階で先生方からの厳しめな指導が入ることで、ほとんどの生徒が上の学年に進級できるのですが、
中には厳しく指導されても勉強が追いつかず、留年してしまう生徒もいます。
令和元年度の全日制高校に通う生徒の留年割合は0.2%です。

1~2学年に1人の割合で留年する生徒がいるんだね。

確かにそのくらいの割合でいたなぁ。
この記事では、高校を留年するとどうなるってしまうのか?について詳しくまとめました。
高校で留年になる基準について
高校で留年になる原因は大きく分けて「成績不振」と「出席日数不足」の2つです。
停学を何度も繰り返したり無期停学(長期間の停学処分)になってしまうと、定期テストが受けれなかったり出席日数が不足したりして留年することもあります。
「高校生活」停学処分になっても大学に進学することはできるのか?
どのくらい成績不振だと留年することになるのか?
留年になる評価基準は高校によって違います。
進級や卒業するために最低限必要な単位数は法律で定められているのですが、1科目でも落としたら即留年の高校もあれば、3科目までならOKとしてる高校もあります。

秘密事項ではないので、通っている高校の先生に聞けば教えてもらえるよ!
娘の通っていた公立高校では、3学期の学年末テストで赤点が1科目でもあると春休みに追認考査を受けることになり、追認考査に合格できないと留年になりました。
(赤点は取っていなくても、3学期の時点で評定に1がひとつでも付いていれば追認考査を受けることになりました)

1.2学期の定期テストで赤点を取り続けて3学期だけギリギリ赤点を回避しても、年度末の評定で1がついてしまう場合があるから注意が必要だよ。
息子の通っている公立高校では、3学期の時点で3教科で「1」がついていると仮進級となります。
仮進級になると、夏休みに毎日のように補習を受けてから追認考査を受けることになります。

とりあえず進級はできるけど、卒業できるかは夏休みの追認考査の結果が出るまでは分からない状態だよ。

娘と息子はどちらも公立高校に通っていましたが、このような違いがありました。
どのくらい出席日数が不足すると留年することになるのか?
娘と息子、どちらの高校も“出席日数が出席すべき日数の2/3に満たない場合”は進級を認めないとされています。
文部科学省の調査によると、全日制高校の約9割が年間授業日数を190~209日としています。進級に必要な出席日数が年間授業日数の2/3以上と定められている場合、最低限出席しなければならない日数は127~139日となり、63~70日以上欠席すると進級できません。 引用:四谷学院高認コース
娘の通っていた高校では、授業に10分遅れたら遅刻、20分遅れたら欠席扱いになりました。
(こちらの基準も高校によって違います)

遅刻と欠席には容赦ない先生が多かったよ!
娘と息子、どちらの高校でも出席日数不足に対しては温情措置は一切ありませんでした。
出席日数が1日でも足りなければ留年決定となりました。
追試と追認考査の違い
追試は各定期試験や各種模試を欠席した人が後日受ける試験のことを言います。

単位を落とす前に救済措置として追試をやってくれる先生もいるよ!
※娘の高校では救済措置で追試が行われましたが、息子の高校では追試はありませんでした。
追認考査(単位追認試験)は単位が足りなくて進級できない人が学年末に受ける試験で、これに合格すると足りない分の単位をもらうことができます。
成績不振者に温情措置はあるのか?
娘の通っていた高校では3月に成績不振者のみ「追認考査」が行われ、そこで決められた点数を取ることができれば進級することができます。
先生方は基本的に生徒全員を進級させたいと考えています。
なので追認考査を受ける友達は、ほとんどの教科の先生から「追認考査はこのプリントから問題を出すから完ぺきに覚えて来て!」とアドバイスをもらっていました。

先生たちは全員合格させたくて必死で勉強させていたよ。
息子の通っている高校では、4単位までなら仮進級として成績不振者でも春から進級することができます。(5単位以上になると留年です)
その代わり、夏休みに大量の課題が出され補習が行われ、進級試験が行われます。

夏休みは大量の課題と補習で無くなるけど、進級試験に落ちる生徒はほとんどいないって聞いたよ。
成績不振者は、決められた補習に出席して、先生の言われた範囲(プリント)をしっかり覚えれば、追認考査で合格することができます。
ただ中には1年間高校の勉強について行けず赤点を取り続けたことで「もう疲れた」と言って自ら追認考査を受けずに留年して、その結果退学してしまう生徒もいました。

私の友達も追認考査を受けずに留年して自主退学したよ。
成績不振者の留年が確定する時期は?
娘が通っていた高校では、成績不振者には3月に入ってから追認考査が行われ、その2日後に職員会議が開かれて留年する生徒が決まります。

留年が決まった場合、3月中旬頃には保護者宛に電話が入ります。
出席日数不足の生徒の場合は?
欠席があまりにも多い生徒には、早い段階で先生から何度も指導が入ります。

あと〇日で留年だぞ!と先生が何度も本人に伝えていたよ。

それでも休んじゃうんだね…。
娘のクラスメイトは、このように前々から「このままだと出席日数が危ない」と担任の先生から注意されていましたが、出席日数が足りなくなった当日に校長室に呼ばれ、留年が決定したと言い渡されていたそうです。
病気・入院などで欠席日数をオーバーしてしまう場合ですが、数年前までは特に温情措置はありませんでしたが、コロナ渦以降「オンライン授業」が行われるようになったので、高校によってはそちらで授業に参加して出席が認められるようになりました。

怪我などの事情があって通学できない生徒の場合、オンライン授業があると助かりますね!
高校は秋に卒業することはできるのか?
娘の大学の先輩で、大学4年生の春では必要単位に足らず、半年後の秋に卒業した人がいました。

大学は必要単位が揃った時点で卒業が可能だから、半期の留年で済む場合もあるよ。

数学1教科だけ落とした場合、テストの点数をクリアしてその単位が取れれば、高校生でも秋に卒業できるの?

残念だけど、高校では留年すると取った単位がゼロになるから、もう一年同じ学年で全教科、同じ授業を受け直さなければならないんだよ。

留年したら全教科、勉強し直しになるんだね…。
留年する高校生はどのくらいいるのか?
高校の留年が決まったあとの進路は様々です。
- 通信制高校に編入
- 定時制高校に編入
- 受け入れのある私立の全日制高校に編入
- 高校認定試験を受ける
- 就職する
もちろん、そのままもう一年同じ高校で留年する選択もできます!

ところが調べていて「同じ高校で同じ学年を続ける生徒」がほとんどいないことが分かりました。
娘と息子も、同学年・先輩・後輩を合わせても留年して高校に残った子は誰もいないと言ってますし、
息子の担任の先生に聞いてみたところ、20年以上教師をやっているけど、留年した生徒のほとんどが通信制高校に転入することを選んで、高校に残った生徒はいなかったとのことです。

きっと、一学年したの後輩と同級生になるのは嫌なんだろうね。
卒業後の進路が決まったあとに「留年」になったら?
就職が内定していた場合
就職が内定しているけど「留年」することが決まった場合は、内定辞退の謝罪をする必要があり、内定は取り消されます。
企業によっては「卒業時の成績を提出すること」を義務付けられているところもあるので、「卒業した」と嘘をつくことはできません。

内定は内定であって入社ではありません。留年が決まればすぐに取り消されます。
大学に進学が決まっていたら
大学受験をする際に「高校卒業見込み」が書かれている証明書を提出する必要があります。

高校卒業見込みは「受験資格」を得るために大学に提出するものです。
一般入試を受けて大学に合格した時点ではまだ「入学資格」を得ておらず、ただ合格しただけという状態です。

「入学資格」を得るためには「卒業証明書」を大学に提出する必要があるんだよ。
期日までに「卒業証明書」などの必要書類等が用意できなければ、大学から「入学辞退」扱いとされ、入学することはできなくなります。
もともと大学ではある程度多めに合格させているので、入学者が1人減っても何の問題もないのです。
指定校推薦で合格をもらっていた場合はどうなるの?
①指定校推薦で合格したあとに留年決定 ⇒ 入学辞退申し出
②指定校推薦の推薦をもらえた(出願前) ⇒ 出願とりやめ
①の場合ですが…留年するような生徒を指定校に推薦したということで、今後その大学からの推薦枠が取り消される可能性があり、大げさな表現ではなく、後輩たちの進学の道を閉ざすことになります。

合格したあとに留年が決まると最悪の事態になるね。

推薦で大学の合格をもらった生徒は、留年しないように最後までしっかり勉強を頑張らないとね。
高校を留年すると大学入試で不利になるのか?

一般入試なら、何も不利にはなりません。
留年しようが高卒認定だろうが、高卒資格さえあれば大学の一般入試を受けることが出来ます!
ただAO入試などを受けて「調査書」が合否判定に使われる場合は、入学年が調査書に記載されるため、不合格の要因になる可能性もあります。

自己推薦に近いAOなら、高認受験者と条件的に同じだから合格できる可能性が上がるって聞いたよ。
最後に
娘は個別塾で塾講師のアルバイトをしています。

大学受験のためではなく、授業について行くために塾に来ている高校生は多いよ。
志望校に合格することができて大喜びしていたのに、いざ入学したら周りのレベルが高すぎて、授業について行けなくなった高校生は普通にいます。
中学の推薦で私立高校に入学したものの、全く勉強しなかったことで1.2学期と評定1を取り、「2年生に進級させて欲しい」と親から頼まれて入塾した高校生もいます。
このように、高校の授業について行けなくなる生徒は普通にいます。
授業について行けず、留年が決まったとしても、今はたくさんの選択肢があります。
長い人生1年くらい遠回りしても何の問題もありません!
まずは自分がこの先なにをしたいのかをしっかり考えてみてくださいね。



