大学2年生の娘と高校2年生の息子がいます。
うちの子たちの高校受験時の志望校ですが、息子はなかなか決めることができませんでした。
コロナ渦で、例年なら5月から始まっていた「学校説明会」が秋から始まり…定期テストの勉強を優先させた結果、行きそびれてしまったのも、決めることができなかった原因のひとつです。
夏休みに入っても志望校は一向に決まらず…話し合いも進まず…
「どこの高校に入っても同じだからな~」と言って、自分から積極的に探そうとはしない息子の姿を見てずっとイライラしていました。
夏休みの最終日にパンフレットをズラッと並べて「成績のことは一切考えなくても良いならどこの高校に行きたいの?」と聞いたところ、息子はパッと顔を上げて「私立○○高校」と初めて行きたい高校名を口にしました。

「私立○○高校」はその時の息子の成績では到底入ることができないレベルの高校でした。
今回のタイトルにした「志望校は子どもの意志だけを尊重して決めさせても大丈夫?」ですが…
中学生は、まだ息子のように理想を追いかけることがあるので、志望校選びを子どもの意志だけに任せることはできません。
とは言え、お子さんが目をキラキラさせて「志望校に入るために勉強を頑張る!!」と言ってやる気をメラメラと出しているなら全否定することは難しいですよね…。

うちもそうでした。
今回は、子どもたちの意志をどこまで受け入れて志望校を決めたのか?我が家の娘と息子の受験時を振り返ってまとめます。
志望校は子どもだけで決めさせても良いのか?
「制服が可愛いから」「文化祭に行ったら楽しそうだったから」

そんな理由で志望校を決める中学生は少なくありません。
娘の友達で「同じ中学からは誰も行かない高校に行きたい」と言って、かなり遠くの高校を選んだ子がいました。
「中学の友達とうまく行かなかったから、高校からは心機一転して友達を作りたい」と言う理由だったので親も即OKしたそうです。
このように、志望校に対しての思い入れは人それぞれ違います。
ただ、どんな理由があるにせよ、志望校を決定するには親子での話し合いが必要です。
志望校に反対する理由
子どもが選んだ志望校を親が反対する主な理由は以下の3点です。
- 通学に時間がかかり過ぎる
- 志望校が本人のレベル(成績)に合っていない
- 校風が本人の性格に合っていない
通学に時間がかかり過ぎる
通学時間は住んでいる地域によっても差があります。
「1時間くらいの通学時間は当たり前」と聞いたことがありますが、娘の通っていた高校と息子の通っている高校の友達で1時間かけて通学している子はとても少ないです。

1時間かけて通っていた子はクラスでひとりだったよ~。

ほとんどの友達が家から30分以内だよ!!
我が家は愛知県の都心部の外れに住んでいますが、高校の数が多い地域なので、あまり遠くから通う必要がないのもあります…。
通学時間に関する記事はコチラに書きました。↓
「高校生活」通学時間が片道1時間は普通なのかを考えてみました
志望校が本人のレベル(成績)に合っていない
息子の志望校は明らかに本人のレベルに合っていませんでした。

内申がマジで10くらい足りないよ…。
でも、その志望校を選ぶことで息子が初めて勉強にやる気を見せたので、頭ごなしに反対はせず見守ることに決めました。
幸い愛知県では私立高校は3校まで受けることが出来るので、1校は息子の志望校、他の2校は完全に滑り止めになる高校を受けさせました。
結果として息子の志望校である私立高校には落ちましたが、「高校受験は甘くない」と自身が気づくことが出来たので良い経験となりました。
校風が本人の性格に合っていない
娘のクラスメイトで、校風が合っていないと言う理由から入学して1か月で高校をやめてしまった子がいました。

こんなに厳しい高校だと思わなかった、親と塾の先生に騙された、って言ってたよ。
親が厳しい高校に入れたくても、本人は緩い高校に入りたいと思っている場合は、注意が必要です。
高校は義務教育ではありません
娘の通っていた高校では、授業について行けず、最後に行われる「追認考査」に合格できずに留年することが決まり、その結果辞めてしまう子が毎年いました。

新学期になり、名簿から名前が消えているのを見て気づくのが悲しかったと娘は言っていました。
これを書くと「当たり前だ」と笑われるかもしれませんが…
志望校を決める時には、3年間最後まで通うことができるのかを一番に考えて下さい。
偏差値が少し高いから…と、ひとつ下のレベルの高校を志望校に選ぶことは「逃げ」ではありません。
自分に合った高校に進学するからこそ成績は伸びるんです。

娘より偏差値が低い高校に通っている息子の方が、この1年間で受けている模試の偏差値は高いです。
※高校1年生の同じ業者の模試の偏差値で比較しています。
娘の高校受験時の志望校は…
娘は息子とは真逆で、中学1年生の頃から行きたい高校が決まっていました。
- 家から近い公立高校だったこと
- 落ち着いた生徒さんが多い校風だったこと
- 進学実績がそれなりに良かったこと
そんな理由から、何も反対することはありませんでした。

娘がすんなり志望校が決まったので、息子でこんなに苦労することになろうとは思いもしませんでした…。
親が決めた高校に通っている友達
中学時代の息子のクラスメイトで、娘が通っている公立高校に行きたいと夏休み中に遊びに来た時に嬉しそうに話してくれた子がいました。
成績も十分足りていたので、娘も「絶対に合格できるよ!!」と入学を楽しみに待っていました。
ところが、秋の三者懇談で私立高校の推薦を貰うことが決まったと聞いて驚きました。

突然私立高校に行きたくなったの?

先生から勧められて、親が話を進めてしまったんだって。
その私立高校は、娘が通う公立高校よりもずっと偏差値が高い、とてもしっかりした高校だったので、親は子どものために良かれとして推薦を貰うことに決めたことは分かりました。
ただ、1年経った今でもその友達は「公立高校を受験したかった」と言っていて、娘の通っていた高校の制服を着ている生徒をずっと目で追っていたそうです。
親子で志望校の意見が分かれたら…
受験生のお子さんとその親御さんで、志望校の意見が分かれてしまうことはよくあることです。
娘は塾講師のアルバイトをしていますが、面談に来た親子が志望校の意見が分かれて、塾長の前で大ゲンカになることが冬に近づくにつれ増えたと言ってました。

親は怒るし生徒は泣くしで大変なんだよ~。
各家庭の方針もありますし、行きたい高校やその理由も人それぞれなので、私が意見することはできませんが、お互いに妥協できる点を見つけることができるといいな…と思います。
私は息子の志望校(私立高校)を受験させる代わりに、落ちたら公立高校を受けるよう約束をしました。

約束しなかったら「滑り止めの私立高校」に進学するつもりだったと本人が言っていました。
結果として息子は今、公立高校に通っています。
最後に
息子が「無謀な私立高校」を志望校にしたいと言って来たとき、頭ごなしに否定するのではなく、内申が足りないこと・勉強量も足りていないことをはっきりと伝えました。
そして「今の勉強の頑張り方ではあなたの意見を尊重することはできない」と伝えたところ、その私立高校の過去問を1冊終わらせて、8割以上解けている解答用紙を持ってきて「受けさせて下さい」と頼んで来たのでOKを出しました。
息子が本気で志望校について考えて、行動に移したのは夏休みの終わりでしたが、志望校は少しでも早く決めることをオススメします。
理由は、春の時点で成績が足りないならこの先の1年間で挽回できるチャンスがありますが、夏休み明けだと正直なところ挽回するのは難しいからです。

息子も最終的に、内申が全然足らず私立高校に落ちました。
娘や息子の友達の志望校を決める時の話を聞いていると、どの家庭も、多かれ少なかれ話し合いの上での「衝突」はありました。
もしかしたら、今までで一番大変な「話し合い」になるご家庭もあるかもしれませんね。
親子での衝突なら構いませんが、先生と衝突してしまった人もいたので、これだけはご注意下さい。

志望校は親子でじっくり話し合って決めて下さいね。
こちらに執筆されている塾長さんそれぞれの本を読んでみたいな、と思いました。