2019年春の東大祝辞で話題となった、上野千鶴子さんの記事を読んでドキッとしました。↓
「頑張ったわが子」をその成果を理由に褒めることは、裏返せば子供を条件付きで愛するということ。出来の良い子にだけ承認という報酬を与える。反対に出来の悪い子はうちの子じゃない。そういったサンクション(毀誉褒貶(きよほうへん))を子に与えて叱咤激励する親が、あまりにも多いのです。
出典:PRESIDENT Online
今の私にとって何より胸に刺さる言葉でした。
我が家には、高校3年生の娘と中学3年生の息子がいます。
2人とも受験生なのですが、コツコツ勉強を頑張って成果を出している娘には優しく接しているのですが、イマイチ成果の出ない息子には厳しく接するようになっていました。

まさに上野千鶴子さんの言葉そのものでした!!
私が勝手に息子の受験生としての理想像を描き「叱咤激励していた行為」は親のエゴでしかなかったのです。
私が息子に望むものは何なのか?
少しでも上の偏差値の高校に入ってもらうこと?
「幸せな人生を歩んでもらいたい気持ち」に間違いありませんが、その為には勉強して成果を上げることが一番大事だと思ってました。
ぐるぐると悩んでいたところ、息子から「進路希望調査書」を渡されました。
一学期はまだ「希望」を書いている状態でしたが、二学期に入った今は「本当に受けたい」志望校を書かなければなりません。
今後の勉強のやり方も含めて、息子と話し合うことに決めました。
私が望んでいた高校とは
一学期の時点では「まだ希望しているだけだから」と、息子の成績に見合わない高偏差値な高校ばかりを書いて進路希望調査書を提出しました。
息子の成績はまだ上がるかもしれないと私だけが必死でした。
正直なところ、私の友人に話しても恥ずかしくない高校に行ってもらいたいという気持ちが常にありました。
恥ずかしいのは誰?

そもそも恥ずかしくない高校ってどこ?
私は友達からお子さんの学歴の自慢話をされたことは一度もありません。
そもそも学歴で人を判断するような友達はいません。
ご近所付き合いは挨拶程度しかしていないので、近所の子がどこの高校に入っていても特に興味はありません。

近所の高校生が通りかかっても、私立かな?制服可愛いな~!!と思うくらいです。
優秀な子を育てた親なんて評価も別に欲しくないしな…と考えて、「子どもの進路で見栄を張る必要なんてどこにも無かった!!」と気づいた途端、スッと肩の力が抜けました。
息子が本当に受けたい高校
まず息子に「公立、私立を抜きにして一番行きたいと思っている高校はどこ?」と質問しました。

私立の○○高校に行きたいけど、うちは公立高校しかダメなんだよね?

かなりチャレンジ校になるけど、一般入試で合格できたら通っていいよ!!

本当に!?勉強頑張るよ!!
行きたかった私立高校を第一志望にしていいと言われた息子はとても喜んでました。
そして、そんな息子の姿を見ながら私はひたすら反省していました。

きっと私に気を使って行きたい高校を言い出せなかったんだね…
愛知県は私立高校を3校まで受けれるので、息子の行きたい高校(チャレンジ校)と滑り止めになる高校を2校受けることに決めました。
そしてチャレンジ校が駄目だったら公立高校の受験をすることを息子と話し合って決めました。
最後に
「学歴なんて人生に関係ない」そんな綺麗ごとを言うつもりは毛頭ありません。

ひとつでも上の学校を目指す向上心は大事です。
だからと言って、子どもの進路に親の価値観を押しつけるのはダメです。
息子の高校受験では、
- 親の見栄で高校を選ばない
- 志望校の最終決定は本人に任せる
- 姉と絶対に比較しない
この3点を徹底させようと決めました。

必要以上に勉強した?と聞くのも止めます!!
こちらのツィートを読んで、私に努力した経験がないから子どもに理想ばかり高く持っていたんだと気づかされました。↓
一生懸命勉強した経験のある人は、努力をしたら到達できる領域と、精一杯努力しても到達できない領域があるという現実に、いつか嫌でもぶち当たる。だから、ちゃんと勉強した経験のない人ほど、努力すれば何でもできると簡単に言う。
勉強した経験のない親ほど教育ママパパになるのはこういう仕組み。
— りんごくん@慧真館 (@keishinkan) November 11, 2020
さて、今日は午後から中学校の三者懇談があります。
担任の先生からは行きたくない私立高校の推薦話を強く勧められているので、息子のためにどうやって断ろうかな?なんて考えています。

先生として早く進路が決まって欲しいのは分かるんですけどね…
今年は私立高校が人気で推薦希望者が多いので、一般受験組には厳しい受験になりそうです。
「息子はそれでも一般受験で頑張りたい!!」と言っているので本人の意思を尊重し、最後まで応援します。
上野千鶴子さんの本は温かい言葉で書かれていて、心にスルッと入って来ます。
子育てで迷ったとき、ぜひ読んでもらいたい本です。